NPO法人 くらし応援ネットワーク

障がい者の就労支援などを目的に2002年に設立され、その後、行き場のない自立が困難な出所者を福祉につなぐ、地域生活定着支援センターの事業委託を受け、これまで千人以上の社会復帰をサポートしてきたNPO法人。生活基盤のない障がい者向けのグループホームと生活困窮者用の無料・定額宿泊所、保証人のいない人に提供するサブリース型の居住スペースを併設し、住まいのない人たちを一時的に受け入れ、自立につなげるための総合福祉施設を運営している。また、障がい者手帳の交付や生活保護受給などの支援からこぼれ落ちてしまう人の受け皿の役割も担う。こうした複数の形態を1つの施設に集約する運営スタイルは全国的にも珍しく、幅広い対象者に迅速に生活の拠点を提供し、その日の寝床や食事がなく困窮する未成年から高齢者まで、あらゆる人に暮らしの基盤を提供。公的支援の窓口とも連携し、就労や就学などの自立も後押ししている。今後は、出所者やひとり親家庭、福祉の支援までは必要ないが誰かの支援が必要な人など、地域にいる全ての人が理解し合い共生していけるような地域づくりを目指す。
この度は、大変栄誉ある賞を賜りまして、誠にありがとうございます。
職員一同、心より感謝しております。
当法人の活動は、「社会の中で生きづらさを抱えている人を、ただただ支援したい」という気持ちだけで進んでまいりました。今は利用者様が200名を超える福祉団体になりましたが、その広がりは、私たちが日々出会う方々のニーズに応えたいと広がって来たにすぎません。受賞者プロフィールには、当法人について、複数の形態を1つの施設に集約する運営スタイルは全国的に珍しいとし、幅広い対象者に迅速に対応していると紹介していただいております。今回の表彰で、その多様な運営スタイルに注目していただいたとしたら、それは私たちを頼って下さった多くの人々の、多様性に応えたいと思ってきたにすぎません。そういう意味では、私たちの法人は、私たちが出会った多くの人によって、育てて頂いたということになるかもしれません。
現実的な問題として、社会の中で生きづらさを抱える人は少なくありません。私たちはこれからも、そうした人々を支援させていただきたく思います。今回の賞は、そうした私たちにとって気持ちが新たになり、これからの活動に対して希望を頂くものとなりました。
社会の中で生きづらさを抱えている人は、1秒たりとも猶予がありません。すぐに食べ物が必要で、寝る場所も必要です。日々の生活のために必要な制度につなげる必要もあります。そのためにも私たちは、即断即決即対応を心がけています。また、そうした方々は小さい頃から家庭でも不遇な生育歴を経てきた方が多く、両親から十分な愛情をもらえていない場合も多いです。社会の中でもなかなか親切に対応してもらえず、必要な支援を受けられないまま流離っています。彼らに対して私たちの支援は、「愛と慈悲と感謝と涙」をモットーにしています。
社会の中でほとんど愛情をもらえずに、助けも得られずに生きてきた方々に、温かい食べ物と寝る場所を提供し、彼らが彼ららしく生きていける方法を一緒に考え、もう一度社会の中で生きていこうとするお手伝いをさせていただく。そして、彼らを地域社会が受け入れて頂けるように尽力する。「愛と慈悲と感謝と涙」を胸に、これからも活動を続けてまいります。
この度は、本当にありがとうございました。