このたびは、大変栄誉ある賞を賜りましたこと、本当にありがとうございます。

一般財団法人イノセンス・プロジェクト・ジャパンは、刑事事件のえん罪の被害者を支援し救済すること、えん罪事件の再検証を通じて公正・公平な司法を実現することを目指して活動しています。えん罪事件を科学の力を使って支援することで、1人でも多くの人を救い出すことが目的です。さらに、えん罪の原因を検証したいと考えています。二度と同じ過ちが繰り返されないように、えん罪という「失敗」から学び、その教訓を刑事司法や社会の改革につなげることを目指しています。

「イノセンス・プロジェクト」は、もともとアメリカで1992年に活動を開始した民間の活動です。弁護士が科学者や学生などと一緒に、無償でえん罪の救済に取り組む活動です。この活動をモデルとしたイノセンス運動はいまや世界に拡がり、日本にもえん罪救済センター（2022年より「イノセンス・プロジェクト・ジャパン」）が2016年に立ち上がり、8年目を迎えました。約40名の弁護士および法学・心理学等の専門家 によって構成されています。えん罪を訴えて支援を求める刑事事件につき、弁護士が担当者となって調査を行い、①起訴がなされており、かつ②犯罪性・犯人性がないとして無実を主張する場合に、科学的証拠などの客観的証拠により雪冤の見込みがあるかどうかという観点から支援可能性について検討を行い、可能であるとした場合は支援を決定しています。これまでに700件ほどの支援の申し込みがあり、うち9件について支援決定し、5件については支援終了（2件は無罪判決が確定）、現在は、今西事件、神戸質店事件など4件について支援中です。

活動には、300名を超える大学生がボランティアとして関わっています。学生たちは、自らの学びのために勉強会を開催したり、裁判傍聴・施設参観に行ったりなどの活動をするほか、事件支援のサポートをしたり、支援事件の当事者の面会のために拘置所に通ったり、えん罪の問題を社会に広げるためのシンポジウム・セミナーを開催したり、中学生・高校生を対象とした講義・講演を行ったりするなど、様々な活動を活発に行っています。

「えん罪救済」を幅広い世代に広がるテーマにすることで、「私ごと」としてえん罪救済に取り組む社会を目指すことが私どもの目標です。より公正な司法を実現するために、今回の受賞を励みに、これからも邁進してまいります。本当にありがとうございました。

事務局長　笹倉 香奈

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  2023年4月 イノセンス・ネットワーク大会参加のためにアメリカ・アリゾナ州へ
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  2023年4月 イノセンス・ネットワーク大会参加 国際部会ミーティングにて
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  2023年6月30日　ひとごとじゃないよ！人質司法プロジェクト立ち上げシンポジウム
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  2023年11月　参議院議員会館で開催した人質司法サバイバー国会の様子
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  2023年11月19日　IPJのメンバーが京都に集結
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  人質司法サバイバー国会基調スピーチ