受賞者紹介

第61回 社会貢献者表彰
ラ・バルカグループ くおんチョコレート

一般社団法人 ラ・バルカグループ 久遠チョコレート

(愛知県)
一般社団法人 ラ・バルカグループ 久遠チョコレート 代表 夏目 浩次
代表 夏目 浩次

障がい者雇用の促進と低工賃からの脱却を目指す夏目浩次さんが2012年に設立した、チョコレート製造と販売などを行う法人。夏目さんは2003年愛知県豊橋市に障がい者を雇用しパン工房(花園パン工房ラ・バルカ)を開業。その後、チョコレートの製造に着目し、2014年に「久遠チョコレート」を創設、10年で全国60拠点にブランチを拡大し、障がい者の全国平均賃金の約10倍を生み出した。夏目さんは、誰も置き去りにせず、多様性のある凸凹でカラフルな社会を創り、障がい者の社会参加と自立、所得アップを実現させている。全国のスタッフ730名のうち40~50%が短時間しか働けない子育て中の女性や悩みを抱え仕事を続けるのが難しい若者、LGBTQの当事者などで、全体の5割以上障がいのあるひとたち。個々のできることや得意なことを活かして働ける職場づくりをしている。久遠チョコレートは、多くの名門チョコレートをプロデュースするトップショコラティエの指導の下、素材を厳選し、妥協なく製造され、福祉の事業としてではなく一流のチョコレートブランドとなることを目指している。北海道から九州まで40店舗のフランチャイズが同じ理念で経営されており、人気のご当地フレーバーチョコの開発にも力を入れている。また全国に店舗が広がることで、夏目さんが実践する雇用の形を広めていける。

できることできないこと、いろんな凸凹違いがある。それが「人」です。

表面的な物差しだけで、人が人を「できる」「できない」などと区分けし、誰かだけを置き去りにしていく社会や経済ではなく、まるでパズルを組み合わせるかのように凸凹を見つめ、どうしたら共に成長していけるかを真剣に考えていく。

そんなセンスある社会をつくるために、2014年から久遠チョコレートというブランドを展開してきました。

人に寄り添ってくれる魔法の素材であるチョコレートとの出会いや、トップショコラティエの野口和男さんからの後押しを受けて、立ち上げから10年を迎えた2024年現在、全国60の店舗や製造拠点で800名近い凸凹多様なみんなが日々活躍と奮闘を続けてくれています。

僕にとってはもがきの連続ですが、美味しいチョコレートをお客様に届けることで、誰もがしっかりと「稼げる」場所、そして「誇り高い」場所にするという、それは決して特別なことではないシンプルな挑戦を続けています。

社会の中には、働きたくても働けない人、その挑戦をする選択肢を持つことができない人がまだまだたくさんいます。

人と人が支え合い、一人ひとりが向き合うこと。どんな人でもチャレンジできる選択肢があり、活躍できる社会や経済であること。

「そんなことは当たり前」にしたいだけです。すべての人には無限の可能性があると信じる社会にしたいだけです。

久遠チョコレートが一流のブランドになり、経済のど真ん中に入っていく。それは、限りある資源を壊し、誰かを置き去りにし、窮屈感や閉塞感を抱えながら「成長を目指す」これまでのあり方を問い直すことにつながると信じています。

誰かや何かを批判するのではなく、「ちょっと立ち止まらないか」「大切なものを見失うことなく、もう一度どういう成長があるべきなのかを見つめ直さないか」といまの社会に問いかけたいと思っています。

この度は、大変栄誉ある賞を賜り、私たち久遠チョコレート一人ひとりの働くことへの思いや取り組みに目を向けていただけたことに、心から感謝申し上げます。

また明日からももがき奮闘していきます。

  • QUONテリーヌ スタンダード
    QUONテリーヌ スタンダード
  • バレンタイン催事(名古屋タカシマヤ)2024年
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  • パウダーラボ フルーツカット
    パウダーラボ フルーツカット
  • 作業(チョコレートテンパリング中)
    作業(チョコレートテンパリング中)
  • チョコレート製造 本店スタッフ
    チョコレート製造 本店スタッフ
  • パウダーラボ集合写真
    パウダーラボ集合写真
  • 豊橋本店 店内全体
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  • 豊橋本店 厨房
    豊橋本店 厨房
  • チョコレートな人々 集合写真
    チョコレートな人々 集合写真
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