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受賞者紹介

平成14年度  第一部門(緊急時の功績・日本財団賞)
Capt. Arne Frode Rinnan
アルネ リンナン
(1940.11.11生)ノルウエイ

功 績 内 容
 2001年8月、ノルウエイ貨物船タンパ号は、リンナン船長指揮の下、オーストラリア領クリスマス島の北西140kmで遭難したフェリーから438人の難民を救助した。酷暑の海上で周辺国の強硬な受入れ拒否に耐え、受入れ先の決着をみるまで難民たちを無事保護した。



アルネ リンナン船長 2001年8月26日、ノルウエイの貨物船タンパ号(The Tampa、49,000トン、27人乗組、アルネ・リンナン船長) は、インド洋からシンガポールへ向かう途中、豪州沿岸警備隊からフェリーボート救難の要請を受けた。豪領クリスマス島の北西140kmで木製フェリーを発見、乗っていた434人の難民と4人の船員を救助した。彼らは主にアフガン人で、幼児や妊婦を含む男女亡命希望者だった。救助の場所がインドネシア領海であったため、船長は彼等を最寄りのインドネシアの港に送ろうとしたが、難民たちの強い要望で、船長はクリスマス島に向かった。だがオーストラリアでは不法難民が急増しているため、同国政府は受け入れを拒否し、船を領海外に出すよう再三警告した。船長はこれを無視して進み、27日、クリスマス島の沖4マイルに船を停めた。29日、退去指示の無視に業を煮やしたオーストラリア政府は、ついには軍を出動させて兵をタンパ号に乗り込ませ、領海侵犯として即刻領海外への退去を命じた。しかし、リンナン船長は引かなかった。
 酷暑の海上に船を長期停泊させる豪州政府に対して、国際世論の非難は日増しに高まったが、その不法難民拒否の姿勢は揺るがず、引き取りに関する豪州とインドネシアの間の話し合いも進まなかった。タンパ号を所有する船会社の在国ノルウエイも豪州を非難した。船会社の幹部の間では、船長のとった行動は国際海洋法が定めた義務を忠実に果たしたまでで、その結果このような事態になるならば、今後海上遭難者の救助を躊躇する船が増えるだろうと危惧する声が上がった。
 1週間後、ニュージーランドとナウルが難民を引き受けることで決着した。難民434人のうち、夫婦と子ども150人はニュージーランドが、残りはナウルが引き受け、ナウルには豪州が費用の支援を行うことになった。こうして、438人の人命救助を優先するというリンナン船長の判断はようやく報われることとなった。
(推薦者 社会貢献支援財団 事務局)