認定NPO法人 きららの木

重度の知的障害のある子の母である江川美奈子さんは、先輩のお母さんから「学校にいるうちが華やで」という言葉を聞かされたことから、親亡きあともみんなが安心して生きていける施設を作ろうと、2009年に「きららの木」を設立して活動を開始。2011年に障害児福祉サービスをスタートし、その後特別支援学校を卒業した子どもたちの受け入れ場所として、生活介護を3か所開所。重症心身障害児の放課後等デイサービスや短期入所なども開所した。さらに相談支援専門員として虐待児や不登校の家庭や地域で生きづらさがある障害児者の相談活動を昼夜を問わず行っている。併せて教育関係者や社会福祉関係者はじめ様々な人たちに障害者理解のために講演活動もしている。「一人ひとりを人として大切に」の理念のもと、障害のある人とともに古都奈良の伝統文化を体験したり、四季折々の行事を実施したり、また一泊旅行など様々な体験をすることで、障害児者の喜びや笑顔のある豊かで文化的な毎日を保障している。「あなたがいるからわたしはうれしい」全ての人との出会いを大切に、障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくりを目指して、地域の皆さんとのつながりを大切にしながら歩み続けている。
この15年間、障がいのある人と共に生きてきた当法人に、この度、このような栄誉ある賞を賜り誠にありがとうございます。
きららの木は、重度な障がいのある人の特別支援学校卒業後の居場所づくりのため、思いを同じくする保護者の活動から立ち上げました。当時は重度の障がいのある人の進路先が少なく、親亡きあと、安心安全に子どもたちが生活できるようにという思いで作り上げてきました。今年、7月8日には設立15周年を無事迎えることができました。設立前より、多くの賛助会員や関係機関の皆様のご支援をいただき今日に至っています。この15年間はただただ社会から必要とされることを懸命に、法人職員一丸となり有言実行で取り組んできました。法人理念の「一人ひとりを人として大切に」のもと、子どもたちは、笑顔を絶やすことなく毎日を楽しく生きてきました。どんなに障がいが重くても自分の人生の主人公であり続けること、誰もが文化的生活を送れることにこだわってきました。
現在は、特別支援学校卒業後の生活介護事業所を3か所、相談支援や居宅介護等の事業をしています。合わせて医療的ケアを必要とする子どもたちの居場所と卒業後の居場所づくりにも取り組んでいます。また、「福祉でまちづくり」に向けて、地域住民とのつながりを大切に、地域のイベントへ積極的に参加したり、当法人施設へ地域の人が足を運んでもらえるようなイベントなどを実施したり、笑顔で楽しく元気に活動しています。他に、奈良県のまほろば「あいサポート運動」・「障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例」の障害理解促進活動、また昨年より事業所の施設は奈良市の福祉避難所となりました。これからは障がいのある人の終の棲家を造ることが社会的使命として法人に課せられています。
「あなたがいるから わたしはうれしい」
この素晴らしい出会いに感謝し、障がいのある人が特別な存在でなく、障がいのあると言われていない人と何ら変わりなく普通に生きていける社会を目指して、これからも活動してまいります。