一般社団法人 みずほの家
兵庫県丹波篠山市の山中信彦さんと泰子さん夫妻は、24時間の見守りと介護が必要な重度の障がい者だった愛娘・山中瑞穂さんと暮らした自宅を改装し、障がい者の単独型短期入所施設「みずほの家」を2015年に開設。山中夫妻と長男、次男の家族4人が主体となり運営している。泰子さんの24年の介護経験の信頼と、家庭的な温かさが評判を呼び、1日定員12名が日々切れることなく、丹波篠山市を含む兵庫県内20市町から利用者が訪れる。その数、年間のべ3,000名を超え、全国屈指の施設となる。医療的ケア児者、車いす肢体不自由児者、強度行動障がい者等、他の施設で預かり困難な人にも、質の高い専門職やスタッフを配置、原則お断りなく受け入れる。カバー範囲を広げ、ニーズに応えるため近隣周辺の開所希望者に無償で短期入所運営指導、現場実習を行い、兵庫県内にこれまで4つの新規短期入所施設の開所に貢献。また短期入所運営以外に、デイサービス、知的障がい者のグループホーム「ななつ星」も運営する。「ななつ星」は、利用者とその家族が地域社会につながり、地域のハブになるような場所を目指している。家族の思いから始まった「みずほの家」の開所から今年で10年、家庭的な短期入所施設は、障がい者福祉のあるべき姿として、さまざまな地域でその広がりを見せている。
この度は、社会貢献者表彰という大変名誉ある賞を賜り、心より感謝申し上げます。このような機会を与えてくださった貴財団の皆さま、そして日々みずほの家の活動を支えてくださっている多くの皆さまに、深く御礼申し上げます。
受賞の順番を待つ間、これまでの40年間にわたる出来事が、走馬灯のようによみがえり胸が熱くなりました。
1985年8月25日、今からちょうど40年前、我が家に3人目の子どもが誕生しました。丹波篠山で生まれたその娘に、夫は豊かに実る稲穂の情景を重ね、「瑞穂(みずほ)」と名付けました。しかし、その喜びも束の間、10月に入ったある日、突然我が家に大きな試練が訪れます。生後わずか一か月半で、瑞穂はヘルペス脳炎という重い感染症に襲われました。医師から告げられた病状は厳しく、私たちは言葉を失いました。幸いにも一命は取り留めることができましたが、瑞穂はその後、生涯にわたり重い後遺症とともに生きていくこととなりました。そのとき私たちは、どのような困難があろうとも、この小さな命を守り、共に生きていこうと心に誓いました。
瑞穂は、24歳で天国に召されるまで、多くの方々の励ましの中で、懸命に、そして豊かに24年の人生を歩みました。娘を見送った後、私は夫や子どもたちとともに、瑞穂と同じように重い障害を持つ方々の力に少しでもなれたらという思いから、11年前に「障害者短期入所 みずほの家」を立ち上げました。その後、グループホームやデイサービス等を開設し、現在では多くの皆さまにご利用いただいています。
娘とともに過ごした24年、そして娘を失った後に始まった障害福祉の歩み。そのすべての時間の中で、私は娘から計り知れないほどの愛を受け取ってきました。その想いを胸に続けてきた私たちの活動が、同じように重い障害のある方やご家族にとって、少しでも安心できる場所となっていれば、これほど嬉しいことはありません。
私は今年、70歳(古希)を迎えました。これからもみずほの家の一員として、皆さんとともに、この場所を大切に守っていきたいと思っています。















