受賞者紹介

第63回 社会貢献者表彰
※ 掲載内容(名称、活動内容、代表者名、肩書き等)は受賞当時のものです。

NPO法人 スキマサポートセンター

(大阪府)
NPO法人 スキマサポートセンター 理事長 佐藤 仁孝
理事長 佐藤 仁孝

日本では犯罪加害者家族への支援をする団体が少ない。加害者が逮捕された直後から加害者家族は多くの問題に直面し、疲弊し、日常生活を送れなくなり、一家離散に追い込まれる例は少なくない。犯罪加害者には出所後に家族の助けが必要だが、家族が崩壊すれば、加害者は戻る所を失って孤立し、再び犯罪に手を染めることにも繋がりかねない。加害者の家族を支えることは間接的に再犯抑止につながる、そこに着目した臨床心理士の佐藤仁孝さんは2013年に任意団体として犯罪加害者家族への支援活動をスタートした。2015年には弁護士、臨床心理士、保護司等の専門家とともに法人化し現在の体制となった。犯罪加害者家族は住居、仕事、裁判、メディア等に対応しなければならず、精神的に追い込まれ、最悪では自死に至ることもある。佐藤さんたちは、逮捕直後から出所後まで変化していく問題に対して、適切な制度の紹介や医療機関に繋ぐ伴走型の相談事業を実施するとともに、加害者と加害者家族の就労支援事業、また同じ問題を持つ人同士が安心して語り合うことができるピアカウンセリング事業を大阪では月に一度、東京・名古屋・神戸では隔月で開催している。

非行・犯罪加害者の家族の支援を中心に活動を行っています。家や仕事を失った家族、施設に預けられたこども、自死を考えている家族など、加害者家族の惨状を目の前にして、放ったらかしにはできない、という想いが原動力です。なぜ誰も手を差し伸べないのか、と不思議に思いました。団体を立ち上げる時には、社会支援のスキマを埋めるのだ!という想いでスキマサポートセンターという名前をつけました。

家族の抱える問題は時間と共に目まぐるしく変わります。逮捕、裁判、受刑中、本人が社会復帰する段階と、4つに大別して考えていますが、「どうしたら良いのかわからない」という相談が多く寄せられます。相談が寄せられるタイミングもさまざまで、家族の状況や、家族内であっても考えや想いは同じではありません。ひとりひとりに向き合いながら、できることはなんだろうか、と共に悩みました。支援方法も手探りで、しかし、家族の窮地を何とかしなければならず、走り続けていました。

家族を支える理由としては二つあります。前述したように、一つは家族の悩み、苦しみを軽減し、家族の生活を立て直すこと。そしてもう一つは、家族と共に、加害者本人の再犯防止と自立を支えるというアプローチを実践しています。専門家がついた家族と、そうではない家族では、再犯率に差が出るように思います。そしてそれは、さらなる被害者を生まないことにつながると強く手応えを感じています。

振り返れば10年を超えて活動を続けていました。そのうちに臨床心理士・公認心理師を中心に、弁護士や社会福祉士、元学校長などの実務経験者といった専門家がおのずと集まってきてくれました。現場を知っているからこそ、加害者家族の支援の必要性を抱いていたのだと思います。理解ある多くの仲間に助けられました。

苦しんでいる家族にこの支援を届けるために、全国的な展開が必要であると考えています。たらいまわしなどせず、ワンストップで解決できるよう、これまでの経験を広め、各地の支援者と連携していきたいと考えています。

社会貢献者表彰といった名誉をいただけるとは考えもしていませんでした。この活動は間違っていなかったのだと、自信を持てました。ありがとうございました。

 

  • 研修会の様子
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  • 個別相談の様子
    個別相談の様子
  • 刑務所より感謝状授賞
    刑務所より感謝状授賞
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