受賞者紹介

第63回 社会貢献者表彰
※ 掲載内容(名称、活動内容、代表者名、肩書き等)は受賞当時のものです。

NPO法人 アイキャン

(フィリピン/愛知県)
NPO法人 アイキャン 代表理事 鈴木 真帆
代表理事 鈴木 真帆

1994年からフィリピンを拠点に、路上で生活する子どもたちへの支援を開始。パヤタスごみ処分場周辺の生活向上支援や、ミンダナオ島の先住民・紛争地域での学校建設などに取り組み、2024年に30年目を迎えた。現在は児童養護施設「子どもの家」を運営するとともに、マニラ首都圏で家族はいるが路上で暮らす子どもへの見守りと路上教育を継続。また、路上の青少年が社会参加できるように、パン作りや営業・マーケティング研修などの技術訓練を行い、カフェ運営による就労機会も提供している。パヤタス地区での活動で培ったノウハウを活かし、2019年からはマニラ市トンド地区で低栄養の子どもに給食活動を実施。日本では海外研修の実施や講演などを通じ、国際理解教育を展開。2023年からは岐阜県美濃加茂市で多文化共生支援を開始。同市は10人に1人が外国人で、その多くがフィリピンにルーツを持っている。ワークショップの開催で交流の場を設けるとともに、フィリピンの文化的背景などに精通した職員が、生活相談をタガログ語でも受け付けている。また、家庭や学校に行き場がなく、夜に駅前で集まるフィリピンにルーツを持つ若者の居場所づくりをしており、そこで何気ない会話から生活の相談にのるとともに、若者の「やりたい」を応援する活動を行っている。

このたびは、第63回社会貢献者表彰において栄誉ある賞を賜り、心より感謝申し上げます。アイキャンは昨年、設立から30周年を迎えましたが、新たな一歩を踏み出した本年にこのような賞を頂けましたことは大変光栄であり、これまで共に歩んでくださった皆さまへの励みとなります。日頃より活動を支えてくださるご支援者の皆様、パートナー団体の方々、そしてこの度私どもの取り組みを推薦・表彰してくださったすべての方々に、改めて深く感謝申し上げます。

当団体の名称「アイキャン」には、一人ひとりの「できること(I CAN)」を持ち寄り、より良い社会をつくろうという思いが込められています。たとえ一人ができることは小さくても、みんなで力を合わせれば可能性は大きく広がる——その信念のもと活動を続けています。

アイキャンが活動するフィリピンには、現在も約37万人の子どもたちが路上で生活しているといわれています。日本のように戸籍制度が十分に整っていないため、公式に登録されていない子どもたちを含めると、その数はさらに多いと見られています。私たちは現地政府と連携し、路上で暮らしていた子どもを受け入れる児童養護施設を運営するとともに、教育支援や栄養改善事業などを展開してきました。施設では子どもたちがスタッフや寮母と共に暮らし、安心して生活できる環境を整えています。

近年、日本国内でも外国にルーツを持つ子どもたちが増え、その背景は多様化し、課題も複雑化しています。そこで私たちはフィリピンで培った経験を活かし、日本に暮らす子どもたちの支援活動にも取り組んでいます。

アイキャンの行動指針は「人々の『ために』ではなく、人々と『ともに』」(Not for the People, but with the People)です。子どもたち自身が自らの可能性や社会課題に気づき、その解決に主体的に取り組む力を育むことを大切にしています。

こうした活動の成果を単純に数値だけでは測れませんが、これからも地域社会や支援者の皆さまと共に、子どもたちが安心して暮らし、自分らしく生きられる社会の実現に向けて、着実に歩みを進めてまいります。今後とも温かく見守り、応援していただければ幸いです。

 

  • 路上の子どもの声を聴く
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  • 児童養護施設「子どもの家」の子どもたち
    児童養護施設「子どもの家」の子どもたち
  • 路上の若者のパン作り研修
    路上の若者のパン作り研修
  • 先住民地域で学用品提供
    先住民地域で学用品提供
  • 完成した学校で卒業式
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  • 給食活動
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  • フィリピンルーツの母親とワークショップ
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  • フィリピンルーツの若者の居場所づくり
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