NPO法人 子どもセンター・ピッピ
弁護士として少年事件、いじめ等の問題に携わり、弁護以外に少年たちの出所後の居場所探しや、未成年後見人になるなどして奔走してきた大倉浩さんが、埼玉弁護士会の有志と準備を始め、行政ではすぐに対応できない子どもたちの命に関わる緊急のケースに対応できる民間のシェルターを2017年に開設し運営している。SOS電話は、本人(県内、県外)、スクールカウンセラー、教師、児童相談所からで、今日帰る場所がない、帰れる家がない子どもの緊急避難所となっている。対象は13歳~19歳の女性のみで、滞在期間2か月の集中支援。専門のスキルを持った女性スタッフが24時間常駐し、温かな食事と安心して休める個室を提供したり、料理やお菓子作り、植物栽培なども共に行う。また人間不信に陥っている子どもの代弁者になるべく、子どもとの委託契約に基づき、子ども担当弁護士(通称、コタン)が、子どもに就く。コタンは、シェルター利用中の子どもの相談、意思決定支援、親との交渉、法的手続きなどのサポートを行い、信頼できる大人として子どもを支える。頼れる場のない子どもたちに安心して休める場所と、前に進むきっかけを与え、幸せな人生を送れるように尽力している。
私は、平成28年(2016)年に「NPO法人子どもセンターピッピ」を埼玉県で初めて設立しました。裁判所に勤務して書記官をしていた私に、3人の少年の共犯による恐喝事件の少年審判を傍聴する機会がありました。3人のうち反省の色が薄い2人の審判では、親が決定に怒りをあらわにして裁判官にくってかかった異様な光景に「事件を起こす少年は家庭環境に問題を抱えている」と実感しました。
その後、弁護士になり、多くの少年事件を担当することになりました。少年らを一時的に弁護するだけでは不十分で、特に少女たちを支援する場、居場所の欠如を痛感してきました。少女が安心して過ごせ、信頼できる大人と出会える場所の確保が必要不可欠と考え、2017年にピッピの運営を始めました。
しかし、シェルターの施設の運営は簡単ではなく、財政難、人材難で二度に亘り施設を一時休止。県内を講演して回り、支援金を集めました。人員の確保も容易ではありません。シェルターでは常勤4人、非常勤4人の職員を配置しています。常勤の職員は皆、傷ついた少女のケアに熱心にあたってくれています。弁護士業と二足のわらじは負担ですが、それでも続けるだけの喜びがあります。
昨年ピッピで成人式を迎えた女性のために、ボランティアの協力で晴着、着付けを行い、施設内で成人式を開きました。私が彼女に書いた「今まで生きてくれてありがとう。自分を大切にして」との手紙に、女性がピッピから旅立つ時に「人生で一番うれしい言葉だった」と手紙をくれました。今までの苦労が報われる瞬間でした。このような喜びを得るため、日々活動しています。












