受賞者紹介

第63回 社会貢献者表彰
※ 掲載内容(名称、活動内容、代表者名、肩書き等)は受賞当時のものです。

一般社団法人 レガートおおた

(東京都)
一般社団法人 レガートおおた
代表理事 石井 さわ子

2010年に設立された外国人支援団体。活動の原点は1980年代後半に遡り、当時多くの外国人労働者の労働災害や不当解雇の問題が深刻化していた大田区で、それを改善するため1992年に「外国人と共に生きる大田市民ネットワーク(OCNet)」が設立され、その創設者のうちの一人がレガートおおたを設立した。区の多文化共生推進センターから多文化共生推進事業を受託(現在は一般財団法人国際都市おおた協会から受託)している。多言語相談窓口では年間約2,000人の生活相談全般に対応する。行政文書の翻訳業や区の関連施設へ年間約350件の通訳者派遣を行う。「おおたこども日本語教室」では、区立学校への就学を目的として、6歳~15歳の児童を対象に、週3回、1回3時間の日本語教室を開催し、これまでに500名以上の外国ルーツの子どもたちを学校・地域社会に送り出した。独自の事業として、行政窓口や専門機関で手続きの同行支援や通訳派遣や外国ルーツの高校生の中退防止を目的に、学校に日本語指導員を派遣したり、中学生とその保護者に対して日本の高校進学制度に関する説明会を開催したりするなどの包括的な支援を行っている。また、もうひとつの学びの場として、年齢や国籍を問わず、学習支援・日本語支援を提供している。2022年度からは全国や海外からの相談にも応じるオンラインでの生活・法律相談を開始し、年間1,000件近い問い合わせに応じている。今後、外国人労働者がさらに増加するだろう日本で、モデルとなるきめ細かな支援活動を継続している。さらに、内外の外国人に対する相談員・支援員向けに「伴走型支援研修会」を実施。レガートおおたの特徴は、伴走型支援と多職種連携による包括的な支援体制にある。

推薦者:一般社団法人 OCNet事業部 大田区中国帰国者センター 代表 鈴木 洋子

このたび、社会貢献支援財団より栄えある社会貢献者表彰を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。これまでの活動を評価いただいたことは大変光栄であると同時に、これまで支えてくださった多くの方々への感謝の思いでいっぱいです。相談者の皆さま、地域の皆さま、行政や専門職の方々、そして共に活動する仲間の存在がなければ、今日のレガートおおたはなかったと思います。

レガートおおたは2010年、大田区から多文化共生事業を受託するためにいくつかの外国人支援団体、国際交流団体が集まって設立されました。「レガート」は音楽用語で「なめらかに続けて演奏する」という意味のイタリア語で、語源は「レガーレ/結ぶ」です。地域に滑らかな関係を気づくという願いを込めています。

日本に暮らす外国人は、言葉や文化・制度の壁に加え、雇用の不安定さや社会的孤立、差別や偏見にさらされることも少なくありません。生活の基盤が脆弱なために、病気や失職など一度つまずけば、権利が守られず、制度からこぼれ落ちてしまう危険があります。だからこそ、窓口での情報提供だけではなく、制度や支援に確実につなげ、つながりを持ち続けながら困難を共に乗り越えていく伴走型支援が不可欠だと考えています。

現在、私たちは大田区からの受託事業として、多言語相談窓口の運営、翻訳・通訳業務、「おおたこども日本語教室」を担っています。同時に独自事業として、伴走型の生活相談やオンライン相談、高校生支援プロジェクトや進学ガイダンスを行い、「伴走型支援ガイドブック」を活用した研修事業にも取り組んでいます。

今後は、相談員、通訳者、弁護士、福祉専門職など多職種が連携する支援モデルを発展させ、伴走型支援を地域に根付かせ、他地域にも広げていきたいと考えています。一人ひとりの尊厳を守り、多文化共生社会の実現に向けて、これからも歩みを止めることなく活動を続けてまいります。

代表理事 石井 さわ子

  • 伴走型支援ガイドブック記念シンポジウム
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  • 伴走型支援研修会
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  • 多言語高校進学ガイダンス
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  • 多言語相談窓口チラシ
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