受賞者紹介

第63回 社会貢献者表彰
※ 掲載内容(名称、活動内容、代表者名、肩書き等)は受賞当時のものです。

NPO法人 アスイク

(宮城県)
NPO法人 アスイク 代表理事 大橋 雄介
代表理事 大橋 雄介

宮城県仙台市で、東日本大震災直後に大橋雄介さんが設立し、避難所や仮設住宅で子どもたちの居場所づくりを行ってきた。大橋さんは活動を通じて、震災以前から拡大していた子どもの貧困が顕在化されたことを実感。また不登校、虐待、ひきこもり、自殺、ヤングケアラーなど、子ども・若者たちの生きづらさを目の当たりにする。すこしでも子どもたちや若者が生きやすい世の中にしたいと思い、子どもたちの人格形成や社会へのかかわり方を形づくるのに最も重要な時期である幼少期の子どもたちと保護者を見守るために保育園の経営、児童館や放課後児童クラブ、子ども第3の居場所づくり、ひとり親家庭や生活保護世帯への学習支援と生活支援、不登校・ひきこもりへの居場所作りや訪問支援、生活困窮家庭への子育て支援、社会との接点を広げるための体験の機会づくりなど、活動は多岐にわたっており、多くの事業を市民や企業、自治体と協働しながら実施している。生きづらさの要因は様々ではあるが、家庭の自助努力だけでの子育ては難しくなっており、それを支える共助、公助も十分に機能しているとは言えない現状において、「子ども・若者と社会をつなぎ共助・公助を増やし続ける」をミッションに掲げて活動している。

この度は過分な賞をいただき、誠に光栄に思います。

当法人は2011年に発生した東日本大震災を契機に活動をはじめ、以来14年以上にわたって、貧困、不登校、虐待、ヤングケアラーといった生きづらさを抱えるこども・若者たちの支援に携わってまいりました。振り返れば、2024年度時点で受益者数は年間1,800人以上、自治体などと協働しながら立ち上げてきた事業は29事業、それを支える職員は200名以上、ボランティアは年間400人以上の組織となっています。

震災が発生してからまだ3週間足らずで混乱のさなか、数人のボランティアと始めた小さな学習支援活動が、ここまで形を変えながら続くとは思っていませんでしたが、「震災で多くのものが失われてしまったからこそ、震災以前よりも良い社会をつくりたい」、「また震災などがあったときのためにも、有事の際により影響をうけやすいこどもや家庭を日ごろから支える組織やネットワークを築きたい」という思いは私自身の原動力であり、その思いが多少なりとも実現できたのではないかという気持ちも芽生え始めています。今回の受賞は、そういった僅かながらの達成感を与えてくださる貴重な気づきの機会でもありました。

とはいえ、この十数年の間にこどもや若者たちをめぐる生きづらさは、貧困率の高止まり、不登校児童生徒数の急増、右肩上がりの虐待相談対応件数、こどもの自殺者数の増加、ヤングケアラーといった新しいキーワードの出現などに象徴されるように多様化、複合化しており、私たちの役割はこれからますます大きくならざるを得ないと認識しています。足元に目を向ければ、物価高や賃上げといったコスト高と人材確保への対応という大きな経営課題がある中で、どこまで私たちがこども・若者たちの課題に向き合い続けられるのか。決して見通しは明るくありませんが、これまでもそうであったように、目の前の課題ひとつひとつに向き合いながら、多くの方々のチカラを借り、一歩一歩積み上げていくことしかできないという気持ちでもあります。私たちの活動が、次の社会につながる礎になれるよう、これからも尽力してまいりますので、今後の活動にご期待いただければ嬉しいです。

代表理事 大橋 雄介

  • 10周年記念シンポジウム
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  • アスイク保育園
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  • ボランティア研修会
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  • 子どもの学習・生活支援事業
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