医療法人名南会 名南病院
名南病院は健康は個人の責任というより、生育環境・社会生活に強い影響をうけていると考え、”医療は無差別・平等でなければならない”を理念に掲げ、「お金の心配をしなくても安心してかかれる自分たちの医療機関がほしい」という声に、地域住民と医療従事者が手を携えて愛知県名古屋市に1967年に設立された。「医療費の支払いが困難で治療を中断する」「保険料を払えず保険証が交付されないまま手遅れになる」といった患者をなくしたいと、診療費の一部または全額を減免する「無料低額診療事業」を2011年に導入している。全国700以上の施設でこの事業は実施されているが、同院では入管施設から仮放免中で、仕事に就けず、保険にも入れない外国人も対象としており、年間約260人以上の外国人を無料または低額で診療する病院は非常に珍しい。また仮放免者の治療は身体的な症状と精神的な症状が合わさり、一筋縄ではいかないことが多く、院内処方の薬代も持ち出して行うため、病院の負担は大きい。この制度の導入以前から同院の早川純午医師は、路上生活者への炊き出しを行い、無料で健康相談を行ってきた。
社会貢献者表彰の受賞に驚きと喜びを感じています。元来、病院ですから社会に貢献するのは基本であるわけで、あえて表彰される理由とは何かを考えてみました。
一つは 無料低額診療事業を行なっていること
名古屋市の南区にある名南病院は、医療は無差別・平等でなければならない、健康は地域の環境や労働環境に大きく関わっているものであり、地域の方々の立場に立って進めなければならないとして、地域住民の方々と一緒になり、お金を出し合って1967年に設立されました。当初地域には旋盤などを使う中小企業が多く、仕事での怪我、労災職業病にも取り組んできました。最近では、2000年以降経済的格差が進むなかで、医療費が払えないことで受診できない人がなくなるように、まず受診してもらうため、診療費の一部または全額を病院が負担する「無料低額診療事業」を2011年に開始しました。糖尿病、リウマチ、化学療法では一部負担金も高額になるため、多くの住民の方に利用してもらい、治療を継続できています。
当院の特徴は、外来でも入院でも区別なく利用できることです。さらに、移動の自由もなく、就労もできず無保険になっている外国籍の仮放免の方々の診療を行っていることです。精神的にも身体的にもストレスが多く診療も困難です。この間、年200数十名を見ています。名古屋市以外の三重県、静岡県などからも来院されています。
二つ目は、路上生活者の支援を行っていること。
名古屋の中心に出かけ 路上生活をしている方たちの医療相談支援、日曜日には路上生活者の生活現場を訪ねるアウトリーチ活動も行ってきました。年末年始の年越し派遣村のような支援を「越冬支援」として協力してきました。
この取り組みは、半世紀にわたる活動をしてきた「ささしまサポートセンター」に協力するものです。これは今から10年ほど前に、病院が所属する全日本民医連の精神科医療関係者が取り組んだ路上生活者の身体的社会的精神的状態の調査を行なった際に「ささしまサポートセンター」と共同で行ったことからつながっています。
この調査で、路上生活をしている方々の多くが 精神的・発達的な問題を抱えていて、決して自己責任の問題ではないことがわかりました。それ以降、路上生活者の中で健康障害を負った方々で、保険がなくてもまず受診してもらい、診断し治療を行い、(先の仮放免の方とは違い)その後生活保護を活用し、アパートなどで生活してもらうことなどを行っています。
この二つに取り組んでいることが受賞の理由として、評価されて本当によかったと思っています。ありがとうございました。













