一般社団法人 つなぐ子ども未来
子どもを中心に誰もが取り残されない持続可能な地域社会をつくることを目的に、居場所の運営、非対面で24時間受け取り可能な冷蔵庫での食料無料配布と、より困難な家庭や子どもを個別支援するためイベント開催を行っている団体。代表理事の安藤綾乃さんは、2017年から、名古屋市昭和区内(11学区)の寺社やコミュニティセンターで巡回型子ども食堂をスタート。2019年に「つなぐ子ども未来」として一般社団法人化。巡回型子ども食堂で家庭が抱える様々な問題を知るにつれ、大変な子どもたちに常設の第3の居場所の提供をしようと、2020年に常設の「つなぐハウス」を開所。月・火・木・金・土に開催される食堂、放課後のたまり場、シニアの憩いの場、未就園児親子のくつろぐ場として様々な機能をもつ。さらに高齢者世帯、ひとり親家庭の子育て応援として夕食弁当を週2回を届ける。2022年から無人の公共冷蔵庫「みんなのれいぞうこ」を設置し食材支援を開始。LINE登録して申し込んだ人の中から、当選した人が24時間以内に食材を非対面でピックアップできる。現在8か所まで設置され、食堂の利用に抵抗がある人、様々な事情で食料を取りに行けない家庭にリーチしている。つなぐハウスを拠点に居場所支援とみんなのれいぞうこのLINE登録者800名のニーズを調査、学生服、おせちやクリスマスケーキを送る等の企画を展開中。子どもとその家庭を地域で支える役割を実現している。
この度は社会貢献者表彰式典において、大変名誉ある賞を賜り、心より御礼申し上げます。ご推薦くださった方々や選考委員の皆様、そして日頃から活動を支えてくださる多くのみなさまのお力添えによって、このようなかたちで評価をいただけましたこと、改めて感謝申し上げます。
私たちのように子ども食堂を基盤とした活動は全国各地に存在しています。その中で当法人を選んでいただけたことはまさに信じ難く、また、私たちの運営は決して大規模ではなく脆弱で地道なものです。それでも光を当てていただけたことは、法人として一定の社会的な認知を得られた証といえるのではないかと、大きな励みとなりました。
今回、一緒に受賞されたみなさまの多くは長年にわたって活動を続けてこられた方々であり、私たちのように活動歴が10年未満の団体は多くありません。その意味でも、諸先輩方と並び一定の評価をいただけたことは、身の引き締まる思いでございます。
私たちは「第3の居場所」という、まだ社会に十分認知されていない概念をもとに、常設の居場所をつくってきました。月1回の子ども食堂では子どもが抱える課題に十分触れることが難しく、また親が抱える子育てや生活の苦悩に寄り添うことも容易ではありません。地域の高齢者が抱える課題についても、お互い様の善意で解決したいと願いながら活動を重ねてきました。しかし、社会制度に位置付けられない取り組みや、制度をまたぐ事業は、行政からの理解や助成金・補助金の対象から外れるなど、長らく社会的な壁に直面してきました。それでも近年になり、ようやく私たちが行っている「社会課題を制度を越えて横断的に捉える事業」が認められるようになってきたと感じています。
新型コロナのはじまりとともに立ち上げた常設の居場所の活動を契機として、「子ども食堂」だけではなく、利用者が抱える困難に応じて多様な事業を展開することになりました。『居場所』での「待つ支援」にとどまらず、『アウトリーチ支援』としてお弁当を通じた見守りや関係づくり、非対面型の食料支援「みんなのれいぞうこ」による安心の提供など、支援のかたちを柔軟に変化させています。クリスマスケーキやおせちの配布、就学支援金の給付なども「制度にはないけれど社会が応援してくれる」という経験を子どもや家庭に届けることを大切にしてきました。こうした活動が、制度の隙間を埋め、人としての豊かさを育み、その豊かさを次の世代へとつないでいくと信じています。
さらに、LINEチャットによる相談支援や同行支援、一時宿泊シェルターの運営など、社会に孤立する若者のニーズに応える取り組みも展開しています。常に制度の狭間にある声に耳を傾け、必要な支援を柔軟に実施していくことこそ、私たちの役割だと考えています。
私たちは今年度、現在の居場所「つなぐハウス」を増築し、多機能な子ども・家庭向け福祉事業として運営を進めてまいります。しかし、多額の建築費用に対して、持続的な運営資金となる行政委託などの確定が得られず、また既存の社会福祉事業のいずれかに明確に該当しないため、大型の建築補助金を受けることもできませんでした。
それでも、年間10,000人を越える子どもや地域、そして社会を支える活動は、これまでも、そしてこれからも続いていきます。今回の受賞を通じて、私たちの事業は「社会の仕組みは後からついてくる」という信念のもと、パイオニアとしての役割を担っているのだと確信を得ることができました。行政にすぐに認められなくとも、やがて社会が追いつき、必要な仕組みとして認知されていく。私たちはそう信じ、この計画を実現してまいります。
なお、副賞としていただいたご支援は、この増築の建築資金として大切に活用させていただきます。これからも、子どもと地域が一緒に社会課題に向き合い、解決へと歩みを進めるための取り組みを続けてまいります。今後とも温かいご支援を賜ることができますれば、大変幸いです。



















