NPO法人 北東北捜索犬チーム
災害救助犬と嘱託警察犬(捜索)両方の仕事をする高度に訓練された捜索犬を育成し、社会の安全と安心に貢献したいと、2008年に科学捜査研究所に勤務する岩本良二さんを中心に有志で設立されたボランティア団体。育成した犬は、世界共通の資格である国際救助犬連盟に認定され、捜索犬としてハンドラーと共に、災害で土砂や瓦礫に埋まり行方不明になった人を捜索する。東日本大震災や、静岡県の土砂災害、能登半島地震による火災時も20時間かけて車で出動し、行方不明者の捜索に貢献。また山での遭難者、認知症で行方不明になった人を発見するといった功績も挙げている。出動要請に備え、日々の訓練を欠かさずに行い、青森県や青森市、弘前市等と災害時の出動に関する協定を結ぶなど、行政からの信頼も厚い。また捜索犬やハンドラーを増やすための訓練や、捜索犬への理解を深めるためのデモンストレーションを兼ねた講演会を実施。2015からセラピー犬の育成と、セラピー犬活動も実施。福祉施設への慰問も行っている。
2008年に嘱託警察犬の指導手であった私は、当時、社会問題化していた認知症を患った行方不明者を捜索する犬の育成を目的とする団体を、仲間と一緒に立ち上げました。その時に災害救助犬の訓練方法を取り入れることになり、先輩の指導手の方と一緒にそれぞれ愛犬を連れ、岩手県や新潟県に行って指導を受け、仲間と訓練し、2010年に全国災害救助犬協会の災害救助犬の認定試験にその2頭が合格しました。
そして、この2頭の災害救助犬を使って青森県警察の幹部にデモンストレーションなどを行い、その有効性を証明して、青森県警察嘱託警察犬の試験項目に、行方不明者捜索に特化した警察犬である「捜索犬」を加えていただき、現在に至っています。
翌年の2011年3月には東日本大震災が発生し、私は災害救助犬「文太」と一緒に釜石の沿岸部で2か月間にわたって11回行方不明者の捜索を行いました。この時、広大な被災現場を目の当たりにして、災害救助犬の数が全く足りないことを痛感しました。
これを機に翌年の2012年にNPO法人北東北捜索犬チームを立ち上げ、災害救助犬と嘱託警察犬を育成し、その犬たちと一緒に行方不明者の捜索に取り組み、2015年には社会の要請に応えてセラピー犬を育成し、老人ホームや障がいのある子どもたちの施設でセラピー犬活動も行うようになりました。
現在、災害救助犬11頭、嘱託警察犬4頭、セラピー犬10頭が活動していますが、それぞれ、未だに頭数が十分ではありません。特に災害救助犬は、その過酷な業務からほぼ10歳を過ぎると引退となるため、常に後継の犬を育てていなければ間に合いません。飼い犬を災害救助犬に育てる希望を持っている人を発掘する広報活動を常に継続する必要があります。
また、組織が発足して14年目となり、犬だけでなくスタッフも高齢となり、若い人が活動しやすい魅力のある組織に変わって行く必要性も高まっています。
災害時の行方不明者捜索において、死亡率が急激に高まる72時間を経過した際においても、行方不明者のご家族に寄り添ってご遺体の捜索もできるように犬の訓練を行っています。また、災害時の避難所にセラピー犬が常駐し、被災した方々、捜索に参加した消防、警察、自衛隊の方々の心を癒す仕事ができるように訓練を行っています。
今後も常に社会の要請に耳を傾け、「真に社会に役立つ捜索犬(災害救助犬と嘱託警察犬)とセラピー犬を育てよう!」をチームのコンセプトにチーム一丸となって日々の訓練を続けて行きたいと思います。
最後に、今回の貴財団からの受賞はこの上ない励ましとなりました。チーム一同、心からお礼申し上げます。
















