カラカサン ~移住女性のためのエンパワメントセンター~
神奈川県川崎市で移民女性のエンパワメントを目的に、夫やパートナーからのDV、差別の被害を受けた在日フィリピン人女性の当事者らが中心となり、2002年に設立。DV、シングルマザー、子どもの問題など、解決にむけて互いに助け合いながら孤立せずに社会で暮らしていけるように支援する。カラカサンとはフィリピンのタガログ語で「力」を意味する。活動内容は主に相談事業、就労、食料支援、パスポートや在留資格に関して行政への申請、医療機関への同行支援、母子、高齢女性の家庭訪問のほか、DV被害による精神の回復と自立に向けてのセミナー、ワークショップの開催である。季節のイベントや、旅行などのレクリエーションも実施し、事務所は居場所として、移住女性同士で夕食を囲み、コミュニティづくりも日々行う。これまで延べ1,000人以上をサポートし、団体登録メンバーは100人を超える。日本国内の外国人が対象外だった「DV防止法」に対し、移住女性保護の観点を訴え、政策提言を続け、2004年の「改正DV防止法」では、日本国内の外国人も対象となるなど法改正にも貢献した。80年代来日ブームから40年、高齢化するフィリピン女性の今後と孤立防止のため自分たちに合ったセンターの立ち上げを視野に入れ、自分たちの力によって日本で安心して暮らせるよう取り組んでいる。
この度、私たちカラカサンの女性一同が、「社会貢献者表彰」を賜りましたこと、大変光栄に存じます。移住女性と多文化の子どもたちに寄り添って22年以上を歩んできた今、改めて私たちの活動の意味を実感しております。私たちと共にいる女性たちが取り戻した力をより育み、これから私たちの元へ来る人々とエンパワーメントを分かち合い続けることの重要性を深く感じています。心より感謝申し上げます。
2002年、私たちが活動を始めた当初を振り返ると、当時は多くの移住女性(主にフィリピン人)が、同年に閉鎖となった前身の移住者相談オフィスを訪れていました。彼女たちは厳しい状況にさらされ、弱り果てていました。人身取引や搾取、あるいは配偶者からの暴力の被害者であった人もいました。また、継父や不良グループのメンバーから性的虐待を受けた若い女性たちとも出会いました。困惑し、落ち込み、人間としての尊厳や価値を奪われた彼女たちを目の当たりにしたスタッフや被害経験を持つ女性ボランティアたちは、移住女性たちが回復し、本来の力を取り戻すための支援センターの必要性を強く感じたのです。
こうして生まれたのが「カラカサン」です。この言葉はタガログ語で「力」を意味します。人は誰しも生まれながらに内に力を宿しており、移住女性たちも搾取や虐待によってその力が弱まったとしても、決して消え去ることはありません。カラカサンは、特に移住女性が尊厳をもって平等に行動できる社会を思い描いています。力を取り戻した彼女たちがさらに他の人を力づけ、癒しと自己変革、社会や世界全体の変容へと歩みを進める。その姿に、私たちは移住女性が日本社会に積極的に貢献する姿を見ています。
トラウマや抑うつを乗り越えるエンパワメントは、移住女性の母親たちだけでなく、直接・間接的に虐待を経験してきた多文化の子どもたちにとっても大切です。私たちがケアしてきた子どもたちは、今では母親から自立し、自分の人生を歩む若者となりました。彼らにとってカラカサンは、困難に直面したときにいつでも帰ってこられる場所であり続けています。
現在、カラカサンには移住女性によるコミュニティがあり、スタッフと共に特別なニーズを抱える女性たちに寄り添っています。また、心身の滋養や癒し、そして生命力を育む行動を目的とした多様なプログラムを通じて互いをエンパワーしています。こうして私たちは高齢期に近づく自分たちの健康を守りながら、違いを超えた仲間やネットワークと体験を分かち合い、社会のすべての人が健やかであることを願っています。
改めて、この表彰を主催してくださった皆さまに心から感謝申し上げます。また、私たちを推薦してくださったかわさき市民活動センターの皆さまにも深く御礼を申し上げます。




















