NPO法人 にほんご豊岡あいうえお
兵庫県北部の但馬地域(3市2町/豊岡市、朝来市、養父市、新温泉町、香美町)の人口およそ15万人に対して、外国籍住民は2,067人(2023年時点)。2013年からおよそ2倍に増加、国籍も多様化している。一番外国人が多い豊岡市を中心に2012年から但馬地域で暮らす外国人、外国にルーツのある子どもに対して、日本語教室、生活相談、交流活動を行い、相手のルーツを尊重し、互いに助け合える居場所づくりに取り組んでいる。日本語教室は子どもから大人までを対象に初期適応、初級から上級、日本語能力試験対策のクラスがあり、月曜から日曜の朝・昼・夜の毎日開催。小学生から高校生までは無料。さらに加え子どもの学校の取り出し授業、技能実習生を雇用する企業へ出張授業も行う。外国にルーツを持つ子どもや保護者が、地域の学校や進学、日本の教育制度について理解できるよう、5か国語に翻訳した子育てチャートを作成。就学に役立て希望が叶うように後押しする。登録外国人は116名。中国、フィリピン、ベトナム、ドイツ、アメリカのほか、ネパール、ミャンマー出身者はこの数年で増加。日本語教室でのボランティアも養成、参加費は無料で、全10回の講座を年2回実施。現在22名が活躍する。豊岡市内で他団体と協力し、多文化交流サロンを毎月開催。ゴミの分別や自転車のルール、日本の文化、季節の行事、防災を学ぶ機会を提供。さらにお茶会やカフェなどで交流の場を設け、生活相談にも繋げる。「何かあったら来てね」ではなく、「何もなくても来てね」を合言葉に、外国にルーツを持つ人々が安心して暮らせる地域づくりに貢献している。
この度は、社会貢献者表彰式典において、たいへん栄誉ある賞を賜り、厚く御礼申しあげます。また、推薦いただきました豊岡市や、選考委員の皆さまに心より感謝申しあげます。
NPO法人にほんご豊岡あいうえおを設立して13年あまり、活動を始めてから30年になろうとしています。このような節目にすばらしい賞をいただき、心から嬉しい思いとともに、この賞を次へつなぐ出発点として、これからも歩みを止めず活動を続けていきたいと気持ちを新たにいたしました。
私たちの活動は、1995(平成7)年の阪神淡路大震災の教訓から、1996(平成8)年に当時の豊岡市国際交流協会が日本語教育ボランティアスタッフ養成講座を開催し、その修了者が中心となって日本語教室を始めたことに端を発します。豊岡市国際交流協会は姉妹都市提携に向けて設立されましたが、「草の根の交流も忘れずに」という思いのもと、地域に開かれた活動を大切にしていました。
当時はまだ外国人市民も多くはありませんでしたが、それでも様々な課題に直面し、スタッフと「何か良い解決策はないだろうか」と悩むこともありました。急上昇できなくても低空飛行でも良いから、とにかく継続していこうと話し合い、自分たちの活動は“好きだから”ではなく、社会課題に向き合う取り組みなのだという自負を持ち続けてきました。
外国にルーツを持つ人々に対して日本語教室をはじめとする生活支援事業を行ってきましたが、その根底にあるのは、言語や文化などの壁をこえた、地域住民同士のつながりづくりを実現したいという思いです。
この活動は、相手のルーツを尊重し、互いに協力し、助け合うきっかけをつくるためのものであり、「〇〇人」ではなく「〇〇さん」と呼び合える、暮らしやすい地域環境をつくることを目指しています。外国にルーツを持つ人々が住民として地域に根付き、私たちと同じように安心して暮らせることを願っていますし、それは同時に、私たち自身の豊かさにつながるものでもあります。
まずは「ひと」として対等であり、嬉しい時はその嬉しさを分かち合えば、喜びは倍になります。悲しい時はその悲しみも分かち合い、支え合うことができます。互いの思いを分かち合い、共有できる社会であってほしいと願っています。私たちは血はつながっていませんが、1つのファミリーとして互いを思い合い、助け合っていきたいと思います。
私たちの合言葉である「何か困ったことがあったら来てね、ではなく、何もなくても来てね」の精神のもと、互いに助け合える社会の実現を目指して、今後も活動してまいります。
これからも、ご協力・ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。
岸田 尚子
















