NPO法人 ぴあらいふ
視覚障がい者の移動支援、障がい者の相談支援事業、高齢者宅へのヘルパー派遣の会社を経営していた中岸宏隆さんは、当時(2016年)、数が少なかった障がい者のグループホーム探しの相談を受けた。家族との不和や虐待、自宅でも施設でも居場所がないなど、本来安心できるはずの「住まい」に悩みが多い障がい者がいることを知った。安心した家庭的な暮らしを送れるように、同年にぴあらいふを設立、障がいのある人を対象にグループホームを開所し、現在16か所でシェアハウス、ワンルーム型のホームを運営している。特に障がい者の中でも受け入れが難しいとされる触法者を積極的に受け入れている。再犯防止には信頼できる人の存在と孤独・孤立を防ぐこと。通常出所後5年以内の再犯率は50%以上と言われる中で、これまで利用した91名の触法障がい者の再犯はわずか3名のみ。24時間看護師配置、専門スキルをもつスタッフが常駐、スポーツジムの併設、手作りの夕食を全ホームで提供、就労、アート製作、イベント開催など手厚い環境を整えている。元窃盗犯の利用者が万引きした際、中岸さんは本人を連れて商品の返却と謝罪に行く。家族、親がすることを普通に行うだけと言うが、献身的な姿は利用者の心を打ち、その後罪を犯すことはなくなる。生きづらさを抱えた元受刑者の背景を理解し、福祉サービスの域を超えた支援で社会復帰を促している。また「生きるためには安心して暮らせる家と糧を得るための仕事が必要である」との思いで障がい者の就労支援にも注力している。パン屋、うどん屋、カフェ等の飲食事業、更にリフォームや清掃などを請け負う便利屋事業を展開。社会の一員として働ける職場提供も積極的取り組み、誰もが居場所と生きがいを持ち地域でともに暮らす社会を実現したいと考えている。
このたびは、社会貢献支援財団より表彰を賜り、心より感謝申し上げます。これまでの歩みを振り返り、また未来への展望を記す機会をいただけましたことを、大変光栄に存じます。
私たち「ぴあらいふ」は、障がいのある方や触法経験のある方など、社会の中で生きづらさを抱える方々が安心して暮らし、共に働ける環境をつくることを使命として活動してまいりました。大阪市旭区を拠点に、グループホームや就労支援事業所を運営し、9年間で100名を超える触法障がい者の方々を受け入れてきました。そのうち再犯に至った方はわずか3名にとどまり、極めて低い再犯率を実現できていることは、利用者ご本人の努力と、共に歩んできたスタッフの力の証であると感じています。
活動を通じて強く実感しているのは、人は適切な環境と支援があれば必ず可能性を発揮できるということです。私たちは一人ひとりが自分の人生を選び取れる社会を目指し、日々の実践を積み重ねてきました。特に「ニューロダイバーシティ」の視点を大切にし、多様な背景や個性を持つ人々を「特別な存在」ではなく「共に生きる仲間」として受け入れてきました。
今後はさらに、利用者の皆さんの一般就職支援に注力していきたいと考えています。サテライトオフィスや共同雇用、自社での採用など働く場を拡げることで、全員が「納税者」として社会に参画できる未来を実現していきます。今年度中には外国人の採用やシングルマザーの採用も積極的に進め、どのような環境にある方でも安心して働ける職場づくりを進めます。
これらの取り組みを一つのモデル(パイロット)として確立し、全国に「ぴあらいふ」の考え方や思いを広げていきたいと考えています。この活動を通じて、「誰もが自分らしく働き、笑顔で暮らせる社会」を少しずつでも実現していくことが、私たちの使命であり挑戦です。今回の表彰を新たな励みとして、これからも歩みを止めることなく、未来を見据えて挑戦を続けてまいります。
代表理事 中岸 真実

















