NPO法人 ウィーズ

両親の離婚により父子家庭で育った光本歩さんは、自身の経験から「家庭環境によって子どもが夢や希望を持てなくなるのはおかしい」と働きながら学習支援塾を始めた。誰にも悩みを打ち明けられない子どもたちの心の声に触れ、子どもには健全な自尊心の育成が必要と実感しNPO法人ウィーズを2016年に設立。主に親の離婚や別居をはじめ、家庭環境、人間関係に悩み苦しむ子どもたちを支える活動を行う。離婚で離ればなれになった親との親子交流支援、10代の子どもたちからのLINE相談、2ヵ所で居場所の運営をしている。さらに支援の手を増やす目的で支援者養成プログラムも実施。およそ138名が修了し、修了者は親子交流支援員やLINE相談員として活躍している。居場所「みちくさハウス」は、家庭や学校などから少し離れ、子どもたちや母子の心身の安心と安全を確保する目的で、これまで述べ1,500名が利用した。2012年から静岡県の委託事業として行ってきた親子交流支援は、同県以外の親子のために2016年から自主事業としても行っており、2019年からは親子交流支援・民間団体として全国初の無料支援に踏み切った。最近はメタバースを使ったオンライン居場所を始め、声をあげられない子どもたちへリーチできるようより一層注力している。
この度、NPO法人ウィーズに対し、社会貢献者表彰という大変な名誉とご縁をいただけましたことを、団体一同心より深く感謝を申し上げます。
私たちNPO法人ウィーズは、親の離婚や別居、家庭環境や人間関係に悩む子どもたちを支える活動を行っております。親子交流支援やLINE相談、居場所「みちくさハウス」の運営などを通じて、子どもたちや母子・父子が心身ともに安心できる場を提供しています。
また、2024年からは新しい事業として「パランパルミル・ジャパン」に取り組むこととなりました。フランスでアソシアシオン(民間組織)からスタートした「パランパルミル」という活動を理事長の光本が知ったのは、今から15年も前のこととなります。パラン=パル=ミルとは「1,000人の親」と直訳した名前の通り、親のように「その子ひとり」に関心を寄せる大人をいっぱい増やそうという取り組みで、「フランスの半里親制度」と呼ばれることもある活動です。今回の受賞に際しましても、この「パランパルミル・ジャパン」の取り組みに深く関心を示していただきました。15年前から知っていたこの活動をなぜ今この時に始動させることになったのか、この活動にかける思いはブログにも記してありますので、ご興味のある方はぜひ『光本歩 note』で検索ください。一人でも多くの皆さまのご理解やご関心、ご支援を賜れましたら幸いです。
そして今回の受賞に際し、他の受賞者団体の皆様が行われている様々な活動に触れる機会をいただけました。皆さまそれぞれの熱意と取り組みに大変感銘を受けるとともに、それぞれの団体が異なる視点から社会課題に取り組み、思い一つに邁進している姿に改めて深い敬意を表します。また、懇親の場においては多くの方々と交流をさせていただき、これまでの経験や知見を共有し合うことで刺激を受け、受賞式前日の夜は団体の支援仲間と共に、自分たちのこれからに向けて夜深く時間を忘れて語り合う場面もありました。
私たちは、今後も「子どもたち・かつて子どもだった大人たち」が健全な自尊心を育み、未来に希望を持てる社会を目指して一層の活動を続けてまいります。活動の在り方はそれぞれ違えど、社会貢献に携わる方々の思いはどこか一つに繋がる部分があると感じております。ここでいただけた良いご縁が、良いアウトリーチに結びつき、互いの理解と支援の和がますます広がって良い社会の礎となっていけますことを、心から願っております。
改めまして、社会貢献者表彰の受賞、ならびに公益財団法人社会貢献支援財団、委員、役員の皆様方、この度の受賞、誠にありがとうございました。