受賞者紹介

第61回 社会貢献者表彰

認定NPO法人 スマイルオブキッズ

(神奈川県)
認定NPO法人 スマイルオブキッズ 理事長 松尾 忠雄
理事長 松尾 忠雄

「愛する子どもたちのために」を理念に、自宅を離れて病気の治療のために、全国各地から神奈川県立こども医療センターに入院する患児と付き添い家族のための滞在施設「リラのいえ」の運営と、こども医療センターに入院・通院している患児のきょうだい児が楽しく過ごす場所「きょうだい児保育」さらに病気や障がいのある子どもとその家族が交流する場として「ふれあいコンサート」や訪問コンサートを開催している。滞在施設「リラのいえ」は、付き添い家族ひとり1泊1000円で、経済的負担を軽減し、総勢80名のボランティアスタッフがシフト制で、24時間常駐。その運営を支えるとともに、患児と家族の立場にたって、きめ細かいサポートを行っている。また「きょうだい児保育」との併設は全国でも珍しく、利用料も1時間300円、家族が安心して患児の看病をできると、多くの声が寄せられている。ボランティア、支援者が、病気の子どもとその家族を支え続け、2023年に法人設立から20年を迎えた。

この度の社会貢献者表彰の受賞は、日々現場を支えるボランティアスタッフにとって大きな励みとなりました。

また、表彰状をリラのいえのダイニングに掲示したところ、利用者の皆様からも驚きとお祝いのお言葉をいただきました。

喜び合える方がたくさんいること、これこそが私たちの財産であり、活動が人の力で支えられていることを再確認する機会となりました。

当法人の活動は、ひとりの父親の思いから始まっています。娘さんが脳腫瘍を患い、1998年にわずか6歳で亡くなってしまいます。父親は失意の中にいましたが、次第に闘病中お世話になった方々への感謝の気持ちが大きくなっていきました。現在闘病しているご家族を支えたいと、2003年に法人を設立しました。

それから今日に至るまで、様々な方との出会いで活動が広がっていきました。特に、「よこはまファミリーハウス」のオーナーとの出会いは大きな出来事でした。当時、神奈川県立こども医療センターに勤めていたオーナーが、自宅を滞在施設として提供していました。需要が増えたため新たな施設を作ろうと、同センターの先生方のOB会と当法人とが協働し、設立準備委員会を立ち上げました。よこはまファミリーハウスの活動実績により信頼を得て、募金活動で建設資金を獲得、土地は県から無償貸与を受け、2008年に「リラのいえ」を開設します。翌年には、きょうだい児保育事業、障がい児とご家族を招待するコンサート事業を開始し、病気や障害のあるお子さんとご家族への支援活動が広がっていきました。

心あるスタッフが集まり、ご家族の立場に立って活動をしています。支援者の皆様にも恵まれ、金銭的な支援のほか、施設で使用する物品の寄付も多くあります。企業の皆様には、施設の清掃やイベントの共催など、様々な形でお支えいただいています。

表彰式典では、日本財団笹川会長より、活動を継続していくこと、次世代につないでいくこと、ファンドレイジングに注力することの大切さについてお話がありました。

このことは、近年私たちが取り組んできたことに合致しており、進むべき道を照らしていただける激励の言葉となりました。
これからも常にお子さんとご家族に寄り添い、必要とされるサポートを支援者の皆様の思いとともに丁寧にお届けしてきたいと思っております。そして、これまで関わりを持ってくださった方々への感謝の気持ちを忘れず活動を続けてまいります。
この度の受賞に心より御礼申し上げます。

事務局長 谷畑 育子

  • 【リラのいえ】入口の看板
    【リラのいえ】入口の看板
  • 【リラのいえ】利用者へのミールサポート
    【リラのいえ】利用者へのミールサポート
  • 【リラのいえ】ウッドデッキで遊ぶ利用者家族
    【リラのいえ】ウッドデッキで遊ぶ利用者家族
  • 【リラのいえ】ホールでの利用者とボランティアの交流
    【リラのいえ】ホールでの利用者とボランティアの交流
  • 【きょうだい児保育】保育士ときょうだい児
    【きょうだい児保育】保育士ときょうだい児
  • 【きょうだい児保育】保育室の様子
    【きょうだい児保育】保育室の様子
  • 【家族の交流の場の提供】重症心身障がい児と家族を招待するコンサート
    【家族の交流の場の提供】重症心身障がい児と家族を招待するコンサート
  • 【広報活動】チャリティーコンサート出演者とボランティアスタッフ
    【広報活動】チャリティーコンサート出演者とボランティアスタッフ
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