この度「社会貢献者表彰」という大変名誉ある賞を頂戴いたしました。この受賞は、日々私たちの活動を様々な形で支えてくださる方々と、多くのボランティアの皆様のおかげです。深く感謝の意を込めてお礼申し上げます。

カンボジアへの支援活動のきっかけとなったのは、前理事長長谷川安年が2006年にカンボジアを訪れた際、内戦の影響で多くの子どもたちが教育の機会を失っている現状を目の当たりにしたことです。同氏は東京都あきる野市にて幼稚園を経営する教育者として何かできることはないかと考え、小学校の校舎を寄贈しこの活動をスタートしました。娘である私も、現地で村の母親が誰も文字が読めないという現状に衝撃を受け活動を共にし、父亡き後を引き継ぎました。

ポルポト政権下における「知識人の大虐殺」で崩壊したカンボジアの教育現場は、校舎があれば子ども達が学べるというものではありません。私たちは校舎寄贈後、教材や教具の提供、学校運営の為の資金援助、先生への経済援助、教員の技術向上支援といった多岐にわたる運営支援を継続してきました。発足から１６年、学校校舎１６校を寄贈してきた中からは地域の最優秀校に選ばれるまでになった学校もでてきております。

活動の中で私たちが特に注力しているのは、「Mother to Mother活動」という日本とカンボジアのお母さんを繋ぐフェアトレード支援事業です。カンボジアの貧困地域では子どもに教育が必要とわかりながらも、経済的な困難から学校を中退させてしまう家庭が多くあります。一方日本では子どもの入園・入学に備え、裁縫に不慣れな母親が布小物を手作りするのに苦労しているという現実があります。『日本のお母さんたちに代わってカンボジアの貧困層のお母さんたちに日本の幼稚園や学校で使う布小物を縫ってもらう』ことで、助け合って問題を解決する取り組みが、「Mother to Mother活動」です。

教育を受けていないお母さん達に仕事を教えるのは困難の連続でしたが、現在カンボジアのお母さんたちが丹念に手作りした品は、都内を中心の幼稚園や保育園、学校そしてインターネット販売を通じて、日本全国のお母さん達に届けられ、収益はカンボジアの母親たちに子どもの教育費として直接還元されています。

現在の目標は、「活動を引き継ぎたい」と活動のバトンを渡す次世代の方が現れるよう、持続可能な体制作を進めることです。今回の表彰も糧にして更なる支援活動を進めて参ります。皆様の変わらぬご支援を、心よりお願い申し上げます。

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  新一年生に制服をプレゼント
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  寄贈校の前で
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  プレゼントしたピアニカを使っての音楽の授業の様子
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  自転車を持たない子へ自転車を寄贈する様子
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  日本のボランティアや学生たちと運動支援のひとつ　タイヤ遊具作り
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  Mother to Mother活動の縫い物に取り組むカンボジアの母親たち
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  Mother to Mother活動で作ったものを手にするカンボジアの母親
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  Mother to Motherの製品を日本で販売するときの様子
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  現地視察の様子