受賞者紹介

第59回 社会貢献者表彰
いっぱんしゃだんほうじん せいしょうねんよういくしえんせんたー ようきかい

一般社団法人 青少年養育支援センター 陽氣会

(愛知県)
一般社団法人 青少年養育支援センター 陽氣会 代表理事 杉江 健二
代表理事 杉江 健二

「すべての親に子育ての喜びを、すべての子どもに“ 生かしの道を”」をミッションとして①青少年育成活動 ②不登校・ひきこもり支援 ③親支援の3つの柱で事業を行い、児童虐待防止活動に取り組む団体。代表を務める杉江健二さんは養育里親として50人以上の子どもたちと暮してきた。2010年自宅の目前に児童相談所が建ち、そこから聞こえてくる親を求めて泣き叫ぶ子どもの声などを聞くうちに、本当の児童福祉とは、親に虐待される子どもたちや里親宅に来るような子どもたちをこの社会から減らしていくことではないかと考えるようになった。児童虐待の発生予防と再発防止の取り組みには親への教育が必要だと考え、多くの悩める親の声に耳を傾け、どうすれば叩いたり怒鳴ったりせずに子どもを育てられるのか、どうにか子育ての負担を軽減できないものかを考察して、独自の「SS 式イライラしない子育て法.」(通称:CPA)を開発。子育て中の親や支援者に向けた「イライラしない子育て講座」や指導者の養成講座を開催している。2015年からは全国で初めて、児童虐待再発防止を目的とする「名古屋市児童相談所における保護者支援事業」を行っている。

推薦者:NPO法人 スペース海 理事長 新田 恒夫

この度は身に余る賞をいただき、さらにはレセプション・式典において親心すら感じる温かく心のこもったおもてなしを頂戴し誠にありがとうございました。こうした表彰の栄に浴することができ、活動を共にする仲間と共にたいへん感激しております。これも当会の活動を長年ご支援頂いた多くの関係者の皆様とこの活動を評価いただいた社会貢献支援財団様のお陰と心より感謝申し上げます。

私共は「すべての親に子育ての喜びを、すべての子どもに“生かしの道”を」をミッションとして、日本中の子どもたちの笑顔を守るため、「児童虐待0(ゼロ)」を目指し名古屋市を中心に活動を展開してきました。
日本の児童虐待(児童虐待相談対応件数)は、厚生労働省が統計を開始した平成2年度から現在までの約30年間、一度たりとも減少した年はなく、減少するどころか約200倍にも増加してしまっています。少子化の影響により1年間の出生数が80万人を下回るこの日本において、令和3年度には児童虐待相談対応件数がなんと20万件を超えているのが実状です。

児童虐待をしてしまった親(保護者)に対し、「ヒドイ親が子どもにヒドイことをした!」と社会が後ろ指を指しているだけでは、児童虐待を減らすことはできません。なぜならば、子どもを虐待してしまう多くの親は、かつては自分も幼少期に親から虐待を受けて育ったというケースも多く、子どもを怒鳴る、叩くなどの不適切な育て方しか経験したことがないからです。そうした親に対し「子どもを虐待してはダメ!」と説くだけでは、児童虐待の発生を減らすことはできません。子どもを怒鳴る叩く以外の適切な方法で育てる仕方を学べる場所、機会の提供が必要だと思います。

核家族化が進み、子育ての継承や周囲のサポートが不十分な現代、益々ワンオペ育児で親の負担感が増大しています。当会では、独自に開発した「SS式イライラしない子育て法®」(Communicative Parenting Approach 通称CPA)を学ぶ「イライラしない子育て講座」の啓蒙・普及を通して、一人でも多くの親に適切な子育ての仕方を学べる場所、機会を増やしていけるよう今後も積極的に活動を展開してまいります。

この度の社会貢献者表彰の受賞は、こうした動きをさらに加速させていこうと動き始めた私達にとって大きな励みを与えていただきました。

この度は誠にありがとうございました。

  • イライラしない子育て講座
    イライラしない子育て講座
  • 子育て支援者養成講座
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  • 「産前子育て教室」制度化街頭署名活動
    「産前子育て教室」制度化街頭署名活動
  • 児童虐待防止啓発活動ボランティア
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  • 子ども政策担当大臣へ署名提出
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  • 児童虐待再発防止カウンセリング
    児童虐待再発防止カウンセリング
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