受賞者紹介

第59回 社会貢献者表彰
はままつねこしぇるたー

浜松ねこシェルター

(静岡県)
浜松ねこシェルター シェルター長 服部 優二
シェルター長 服部 優二

浜松市で建設不動産業を営む服部優二さんの長男が小学生だった時、家族に隠れて拾った子猫の世話をしていたことが近所の人に目撃されて発覚。服部さんは子猫を家族として迎え入れ、息子の心根に触れたこと、野良猫の現状を知ったことが動物保護への第一歩となった。巷の野良猫が存在する理由は、全て人間に起因するといわれ、日本における人間と猫たちの古くからの深い関係性を知り、今後の人生を野良猫たちのために!と、本業の傍ら2006年に本格的な保護活動を個人でスタートさせた。その後第2種動物取扱業の資格を取得し「浜松ねこシェルター」の運営を始め、現在は120匹を超える野良猫を会社と自宅に分けて収容し、病気の検査と治療、血液検査やワクチン接種、不妊去勢手術など新しい飼い主へいつでも譲渡できるよう準備している。決められた日に決められた場所で譲渡会を行うのではなく、希望に合わせていつでも個別に譲渡見学会を行えるようにしている。譲渡の申し込みがあると、人柄、育てる環境など、受入れ側の自宅の点検にも行くなど、猫が終の棲家を得られるよう、二度と野良猫にならないよう、心を砕いて愛情のこもった世話をしている。

推薦者:学校法人 ムンド・デ・アレグリア学校 校長 松本 雅美

先ずはこの賞を頂くにあたり、ご推薦者である、ムンド・デ・アレグリア学校 校長松本雅美様、ならびに公益財団法人 社会貢献支援財団関係者の皆様に心より御礼申し上げます。

私共、浜松ねこシェルターの活動は15年余と短く、ボランティアの数も少数からなる小さな任意団体です。

そんな小さな立場ながら、野良猫の保護活動を継続してきた事で、名誉なるこの賞を授かるにあたり、素直に心より感謝申し上げる次第です。

今日まで野良猫の保護を継続出来たのは、妻のサポートがあっての事だと痛感しています。本来ならば受賞に一番相応しいのは妻であり、授賞式の参加には妻も同席する事を夢にみておりました。何分、例年を上回る子猫の受入れ依頼が増える状況の中、シェルター内にいる180匹を超す猫達の世話を絶やすことが出来ず、家内もその場から離れる事が出来ない理由から、妻不在の表彰式出席を残念に思います。

先にも触れましたが、今年子猫の受け入れ依頼が増加し、例年であればピークを過ぎた頃にも拘らず、未だに依頼の電話が絶えません。

常々より全ての依頼に応えたいと考えていますが、何分にもシェルター内のキャパシティーにも限界があり、施設を運営する費用確保、維持管理する上で必要となる人員であるボランティアさんの確保、それらが思い通りにはならず。どれも私と妻が努力したところで解消させられる問題ではありません。

その様な状況が現在の浜松ねこシェルターというのが正直なところです。

その点、国は行政機関の犬、猫受け入れ口なる部署では、キャパを超過した場合、即座に殺処分という安易な手法で間引きが出来、己の保身をする事が出来ます。

私たち小さな命を重んじる民間の者達は、その様な対応は出来るわけがないのです。

この先、浜松ねこシェルターとして進む方向は、数十年先でも浜松ねこシェルターは存続していなければならず、次の世代に継承させなければならない。という務めがあると考えます。

その結果が、殺処分を減らし、生命の尊さ、情操の観念を受持する事により、古き日本の精神を思い起こす、利己ではなく利他たる思いやりのある社会を作りだせるのだ。

そのように考えます。

後継となるべき人材の育成、今まで以上に小さな命を守る行動と活動に尽力を注ぎ、これからもずっと先まで、浜松ねこシェルターの運営を行って参ります。

この受賞を励みに、更に一歩前に踏み出し日々精進して参る次第です。

最後にこの度は栄えある表彰を賜り誠にありがとうございました。

  • 餌やりで繁殖してしまった子たちを捕獲
    餌やりで繁殖してしまった子たちを捕獲
  • 保護されたねこたちが飼ねこになった瞬間
    保護されたねこたちが飼ねこになった瞬間
  • 保護した子ねこの様子
    保護した子ねこの様子
  • 保護した子ねこの給餌の様子
    保護した子ねこの給餌の様子
  • 無責任は餌やりの結果 神社に住むねこたち
    無責任は餌やりの結果 神社に住むねこたち
  • 無責任は餌やりの結果 神社に住むねこたち
    無責任は餌やりの結果 神社に住むねこたち
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