砂漠緑化団体「オルドスの風」(有限会社バンベン)

日本語教師を志していた坂本毅さんは、青年海外協力隊として1991から3年間、中国内モンゴル・オルドスで過ごす。そこには想像していた大草原はなく、過放牧などにより砂漠化の最前線と化し、どこまでも続く砂漠は黄砂の発生源にもなっていた。帰国後、企業で働きながらも、オルドスに緑を取り戻したいという9年越しの夢が忘れられず、一人で砂漠緑化を実現しようと「有限会社バンベン」を2004年に設立。内モンゴルの塩を日本で販売し売上の一部を砂漠緑化事業に投入している。もともと大草原だった場所は、植物の生態系が崩壊し砂漠になってしまったものの、わずかだが降水し地下水もあり、条件を整えて植林すれば緑を取り戻す可能性が高い。植林は、地元の人々とかつての教え子たちの協力を得ながら土地の状態を見極め、何十年もかけて地道に続けている。「塩の売上で植林し、生態系を回復させ、そこで付加価値の高い有機農業を根付かせ、地元の経済圏が潤うモデルを確立させる」坂本さんは住民の収入アップと緑化の両方の実現のために挑戦を続け、オルドスモデルとして他の砂漠化地域へも導入し、環境問題、貧困問題の解決を目指している。
1991年から3年間、私が青年海外協力隊として日本語を教えた地、中国・内モンゴル・オルドス。内モンゴルというと大草原というイメージがありますが、ここオルドスは過放牧などによって砂漠化が進んでいました。オルドスは砂漠化の最前線でもあり黄砂の発生源でもあります。「第二の故郷オルドスを元の緑に戻したい!」「・・・そうだ美味しい内モンゴルの塩を売って、売上の一部をオルドスの砂漠緑化につぎ込もう!」そう思いついて2004年に「塩を売って緑を買う会社」バンベンを立ち上げました。
今年で創業20年。この節目の年に社会貢献者表彰という名誉ある賞を受賞できたことはとても名誉なことだし、今後10年20年と続けていくための糧となります。本当にありがとうございました!
当会は以下の5項目を活動の指針としています。
1:寄付や助成金に頼りすぎない事業。
砂漠緑化事業は何十年と継続しなければ成就しません。当会は活動費のほとんどはモンゴル塩の売上から得られています。活動資金を自主財源で賄っていることで、規模は小さくても継続していくことができます。
2:現地の人たちが主体の緑化事業。
まずは当会の塩の売上の一部を緑化に投入しますが、植林をするのは地元の方々が中心です。そして緑化した土地で有機農業など高付加価値農業を実践し、現地の方々の生活を豊かにし、その収入の一部を緑化に再投入➡高付加価値農業拡大➡さらに緑化拡大➡・・・。という「環境と経済の好循環モデル(オルドスモデル)」を作ることを目指しています。
3:教え子たちとのつながり。
30年前高校生だった教え子たちは今や40代。多くは私の緑化事業に協力してくれています。最近は教え子の子どもたちも積極的に植林に参加してくれるようになり、事業は次世代へと受け継がれていきます。
4:世界の砂漠緑化にも貢献。
上記オルドスモデルが完成すれば、世界の砂漠化に苦しむ地域へ展開できます。まだモデルの完成とは言えませんが、今年に入ってUAEのアブダビからお声がかかり、砂漠緑化と乾燥地農業のプロジェクトを立ち上げました。
5:国や民族や宗教の壁を超える事業。
当会の活動には様々な国籍・民族・宗教の方が参加しています。みんな同じ志を持って、同じ方向を向いています。志の共有が砂漠化を止め、貧困や紛争や内戦のない世界へ導きます。
この事業はどなたでも参加できます。例えばモンゴル塩は500円ですが、1袋買うと、オルドスの砂漠に1本、木を植えることができます。また塩は食品、美容、健康などあらゆる分野で使われます。ぜひモンゴル塩を使ったコラボ商品を作りましょう!そして一緒にオルドスへ行き、砂漠に木を植えたり、有機農業をしたり、未知の植物を探したり、ワクワクしながら一緒に緑を増やしていきましょう!