原田 淑人

シキホール島日本親善大使
ダーマンの愛称で親しまれている原田淑人(としと)さんは、フィリピンのシキホール島に住み、宿泊施設を運営しながら、島の子どもたちの教育環境を調える活動を2004年から行っている。この島にはインフラや学校教育など、多くの支援が必要で、現地にロータリークラブを新設することで、援助を受けられるようにした。同クラブを通じて日本をはじめ各国からの支援があり、島の100ある学校の半分以上にトイレを設置することが出来た。また、2つの村の4,000人の村人や7つの学校に、水タンクを設置し飲料水の確保を可能にした。さらに、幼稚園を4校、式事用の野外ステージを7校支援している。原田さんは、平塚市の小学校の元教員で、在職中から青少年赤十字のボランティアリーダーとして36年にわたり国際理解や奉仕活動を子どもたちと実践してきた。レバノン、クエート、オランダ等、海外で日本人学校の教員の経験もある。シキホール島の子どもたちに、鍵盤ハーモニカを寄贈し、これまで太鼓しかなかった島の楽器に、メロディーが加わった。また優秀だが家庭の貧困のために上の学校に進学できない子どもたちには、原田さんが運営するリゾート宿泊施設で働いてもらい、カレッジに進学させ、卒業後、海外で働けるように支援をしている。日本へも「技能実習生」として20人を送っている。援助や支援に頼りきりにならないように、現地でミラクルツリーと呼ばれ、栄養価の高い「モリンガ」の栽培を地元住民に促し、パウダー状にして販売。その売上を奨学金に充当している。
この度は、大変栄誉ある賞を賜りまして、誠にありがとうございます。
私は小学校教員でした。教員時代、青少年赤十字と関わって子どもたちといろいろな活動をしてきました。今は「自分にできる何かを探しに」フィリピンのシキホール島でリゾートを経営しながら「島の子どもたちの教育の改善の活動」をしています。
100ある学校にトイレがない、水道施設がないのにびっくり。教え子たちの寄付でトイレ作りから支援をスタートしましたが時間がかかります。そこで友人を誘って「ロータリークラブ」を立ち上げました。それからは日本の多くのロータリークラブの支援があってほとんどの学校にトイレは設置できました。
いくつかの大学が私の活動を知って応援に来てくれました。青山学院大学の学生たちは「ソーランダンス」や「鍵盤ハーモニカ」を広めてくれ、コンテストを開きすごい盛り上がりを見せました。今でも山の中で私の車を見ると「ドッコイショ,ドッコイショ」の掛け声がかかります。国際基督教大学のミュージカルチーム「虹」は島中の学校を回り、子ども参加のミュージカル「オズの魔法使いなど」を披露してくれました。四国学院、横浜のフェリス女学院も学校を回って子どもたちと楽しくふれあってくれました。
黒板とチョークの授業ではない、楽しいことをやってくれる私が行くと「ダーマン、ダーマン」の愛称で迎えてくれます。島の子がダーマンを好きになり、日本人を好きになり、日本が好きになってくれたらと願っています。
また優秀でも家庭の貧困で上の学校に行けない学生を毎年10人カレッジに送っています。彼らは小学校時代に私が学生やお客様と訪問して一緒に遊んだ子たちです。卒業したら海外で働ける支援をしています。今、日本でも「技能実習生」として20人が働いています。この学生たちを支援するために「命の木」「ミラクルツリー」と呼ばれる「モリンガ」を学校に島中に植えてもらいお茶にして日本で販売しています。
うれしいサプライズ・・昭恵会長が9月にセブ島に視察に来るとお聞きし「シキホール島は近いのでぜひ」とお誘いしたらシキホール島まで足を延ばしてくださいました。学校を訪問してくださり、紙飛行機を作って遊んだり、ジェンカを踊ったりして子どもたちと楽しく過ごしてくださいました。シキホール島の子どもたちにとって最高の1日になりました。
これを機会にさらに子どもたちの笑顔が広がるようにがんばっていきたいです。 まずは水不足の学校に水を供給することからがんばりたいです。