受賞者紹介

第55回 社会貢献者表彰
えぬぴーおーほうじん じゅもく・かんきょうねっとわーくきょうかい

NPO法人 樹木・環境ネットワーク協会

(東京都)
NPO法人 樹木・環境ネットワーク協会 事務局長 後藤 洋一
事務局長 後藤 洋一

1995年に「人と自然が密接に関わり豊かな持続可能な社会の実現」をめざして活動する任意団体として発足。森を育てる「フィールド事業」人を育てる「グリーンセイバー(GS)事業」森と人を繋ぐ「環境コミュニケーション事業」の3つを活動の柱としている。現在13か所で「フィールド事業」を行っている。上野動物園の緑化といった都市の緑を守り育てるもの、町田市三輪地区や大阪府交野市などの里山の保全・再生・活用。また奥山と呼ばれる八ヶ岳での宿泊型ワーキングなどがある。「グリーンセイバー事業」は、適切な環境保全や環境活動を行うために1998年に設立された資格検定で、環境について科学的な知識と共に、自然と人との関わりを学び、文化的な側面も修得することが求められる。GS修了者が各地でボランティアグループを作り、フィールドワークで中心となり活動する。「環境コミュニケーション事業」では環境問題は個人で解決できるようなものではなく、社会全体で取り組むことが当たり前となった今、企業、行政、団体と協働で、多様な活動を行う。東京都が進める海の森公園づくり事業への参画、石垣島での海の環境を守るための森づくり活動を行っている。

推薦者:NPO法人 かながわ森林インストラクターの会 理事長 久保 重明

持続可能な社会のために人と自然の関係を築く

 この度は社会貢献団体として表彰していただき、誠にありがとうございます。

私たちが活動をはじめたのは1995年。環境問題が大きな課題として社会的にも認知されつつある時代でした。人々の関心が高まると同時に市民活動も盛んになりましたが、自然に関する知識や経験の不足から、誤った環境保全が行われる事例も見られました。そこで私たちは、正しい知識を身に付けて環境保全に取り組む人材を育てることを目的に、グリーンセイバー資格検定制度を設立。検定合格者を中心に、各地で環境保全活動をスタートしました。

設立から25年。環境に対する人々の意識や社会状況は大きく変化しています。その中で私たちは、社会のニーズに対応しながら、「森を守る」「人を育てる」「森と人をつなぐ」という大きな3つの柱を軸とした活動を、変わることなく続けてきました。現在13か所の森や緑地の保全活動を行っており、グリーンセイバー資格取得者も4000人にのぼります。このような地道な活動が功績として認められ、社会貢献団体として表彰していただくことができたのは、これまで活動を支援してくださった皆さま、活動を推進してきたグリーンセイバーや会員の皆さまのおかげです。支えてくださった皆さまには、どんなに感謝してもしきれません。

SDGsが提示しているように、防災、循環型社会、生物多様性の保全、地球温暖化の抑制から、教育、雇用まで、多岐にわたる分野で森林は持続可能な社会にとって重要な土台を担っています。森林や自然環境が人類社会にとって需要なファクターであることは、10年前の東日本大震災、そして、現在の新型コロナウイルスの感染拡大からも読み取ることができますが、その意味合いは少しずつ変わってきているようにも見えます。

このような状況において、私たちの活動も、より広く多様なものになりつつあります。すでに、石垣島ではサンゴ礁の復活を助けるための里山づくりをはじめています。海に面した地域で、継続的に人が利用し、管理する森を作り育てていくことで、耕作放棄地からの赤土の流出を防ぎます。地球温暖化を抑制し、陸の豊かさを守るための森は、海を守る森でもあるのです。

この活動を含め、まだまだこれから進めていくべき活動はたくさんあります。人と自然が密接に関わり、森を育てて利用することで、結果として豊かな自然が保たれる。自然とよりよい関係を築くことが、持続可能な社会につながる・・・。そんな社会に一歩ずつ近づいていることを信じて、今後も地道な活動を進めてまいります。

樹木・環境ネットワーク協会 
理事・事務局長 後藤 洋一

  • 石垣島での植樹
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  • 子ども向け自然体験の様子
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  • 親子での森林保全体験
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  • 森のレクチャーを受けている
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  • 里山での虫さがし
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  • 管理している里山の風景
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  • 雑木林での作業のひとこま
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  • 親子でカブトムシの幼虫を探しています
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