受賞者紹介

第54回 社会貢献者表彰
にんていえぬぴーおーほうじん せかいのこどもにわくちんを にほんいいんかい

認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会

(東京都)
認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会 理事長 剱持 睦子
理事長 剱持 睦子

1990年に国際連合本部で開催された「子供のための世界サミット」で、ワクチンが足りないために多くの子どもたちが命を落としていることが議論された。そして、1993年に京都で開催された「子供ワクチン世界会議」において、先進国は発展途上国の子どもたちのために必要なワクチンを供給しなければならない、という「京都宣言」が採択されたことを受け、1994年1月に細川佳代子さん(細川護煕元首相夫人)が代表となり団体を創設した。
主な活動は途上国へのワクチン支援と国内での啓発活動。日本全国の個人と法人から預かった寄付を、国際連合児童基金(UNICEF)を通じてワクチンに換え、ミャンマー、ラオス、ブータン、バヌアツの4力国(2019年実績)へ贈っている。
プロ野球福岡ソフトバンクホークスの和田毅選手は、試合で1球投げるごとにワクチン10本、勝利投手になったら20本など、自身の活躍が支援につながる「僕のルール」を通じ、2005年より支援を継続、 AC広告を通じて多くの人が社会貢献に参加するきっかけとなる。これまで活動した26年間で、ワクチンで予防できる感染症で命を落とす子どもたちの数を、1日8,000人から4,000人へ半減させることに寄与した。

この度、公益財団法人 社会貢献支援財団の「社会貢献者賞」お受けしましたことを、誠に光栄なことと心から感謝しております。

 「社会的に報われる機会の少ない方を対象に表彰する」歴史ある財団とのこと。

前夜の懇親会でそれぞれの活動について伺い、助けを必要とする人々のために貴重な活動をしておられることを知りました。その方々と共に私どもの活動をお選びくださいましたことに感動いたしました。

認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会は、1994年に細川佳代子が創設いたしました。細川が幼いころ、日本は敗戦国でありながら、欧米の先進国からワクチンや粉ミルクを贈って頂き、無事成長することがきたので、大きくなったらご恩返しをしたいと思って、当委員会を立ち上げました。1994年当時、世界でワクチンがないために5歳まで生きられない子どもたちが1日8,000人でした。

最初は資金を集めるために、使用済のテレフォンカードが海外で換金できるとのことで、全国から集めることから始めました。アジアを視察して、軍事政権下のミャンマーを支援することになりました。

そしてある日、「応援します」と福岡ソフトバンクホークスの和田毅投手ご本人から直接お電話がありました。「一球投げるごとに10本のワクチンなど、僕のルール」で子どもたにワクチンを届けたいとのお申し出でした。

その後、和田投手の「僕のルール」のおかげで活動は全国に広まり、支援国もミャンマー、ラオス、ブータン、バヌアツと常時支援国が4カ国となり、緊急支援も可能となりました。

私どもの活動は、個人、企業の方々からのご寄付のほかに、使用済みの切手、書き損じはがき、ペットボトルキャップなど、創設当時からの「もったいない」の精神で皆さまへご協力を呼びかけて、開発途上国の子どもたちの命のために、活動を続けております。

創設から27年目、ワクチンがないために命を落とす子どもたちは半減いたしましたが、それでも1日4,000人です。

新型コロナウイルスの世界的蔓延で感染症の脅威、ワクチンの大切さを改めて、実感する日々です。

このような状況だからこそ、幼い命に影響が及ばないよう、今年も昨年と同様に支援者様からお預かりしたご寄付をワクチンとワクチンを冷たいまま届けることができるコールドチェーンとして贈ることができるよう、努力してまいります。

いろいろな意味で影響を受けるのではないかと心配しておりますが、このような時期に貴財団からの受賞は誠にありがたく、強い励みとなります。

ありがとうございました。

理事長 剱持 睦子

  • バヌアツでのポリオワクチン接種
    バヌアツでのポリオワクチン接種
  • ブータンの学校で元気に出迎えてくれた子どもたち
    ブータンの学校で元気に出迎えてくれた子どもたち
  • ミャンマーでポリオワクチン接種をする細川佳代子会長
    ミャンマーでポリオワクチン接種をする細川佳代子会長
  • ラオスのワクチン接種会場に集まった親子
    ラオスのワクチン接種会場に集まった親子
  • 和田選手に感謝状を贈呈する細川会長
    和田選手に感謝状を贈呈する細川会長
受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」