受賞者

第51回

社会貢献の功績

くもん かずこ

公文 和子

(ケニア)

ケニアのナイロビで障がい児施設「シロアムの園」を2015年に開設し、社会保障や社会福祉が乏しい同国で障がい児療育に携わっている。
小児科医である公文さんは、2001年にシエラレオネを訪れた時に、毎日何人もの子どもが死んでいくのを目の当たりにし、「一人の命に関わるとはどういうことか、自分に何が出来るのか」を自問自答した。その後、アフリカでHIVに関わる仕事を行うなか、社会保障や福祉の発達していない発展途上国で、取り残されてしまっている障がいのある子どもに目が向くようになり、困難を承知で「シロアムの園」を始めた。障がいがあるというだけで、悪霊がとりついているでは?と考えるような社会で、公文さんの「心を込めて寄り添う」療育活動により子どもに成長がみられ、その母親や家族に変化が見られ、子ども同士、家族同士がお互いを意識したり、悩みを相談したり、助け合う関係が生まれている。「シロアムの園」にいる時と同じように笑顔で過ごすことができるようにコミュニティを変えていくことを目指して活動を続けている。

推薦者:井口 加代子
公文 和子

「シロアムの園が本当に社会に貢献できる日を目指して」

シロアムの園は、創設以来、ケニアの障がい児とそのご家族ひとりひとりの命自体や命の質に関わってきました。様々な職種、能力をもつスタッフ一人一人が心を込めて関わっていく中で、ここに来なかったら失われていたり、埋もれたりしていた命がここで輝いたり、豊かになっていくことを、子どもたちご家族とご一緒に日々経験しています。子どもたちやそのご家族が、生きる希望を見出し、一人一人が与えられている賜物が輝くようになっていくことが、私にとっての日々のご褒美です。

小児科医である私は、ひとりひとりの命を大切にすることは、多くの命を救うことにつながると思っていますが、シロアムの園に助けを求めてくるご家族の数がどんどん増え、私たちの力だけでは及ばないことがたくさんあることを知る時に、やはりケニアの社会が変わらないといけない、と心から思います。ケニアの社会が、その社会の一員である障がい児やそのご家族と共に歩んでいくこと、必要な時に手を差し伸べることができること、この子どもたちやご家族を大切にできる社会になること。それにより、国が子どもたちやご家族を大切にできるような社会保障や福祉の制度を築いていくこと。教育システムや保健医療システムやサービスの質が、この子どもたちのニーズを満たすようなものに発達していくこと。シロアムの園に来ている子どもたちやそのご家族、スタッフが団結し、同じような状況の人たちと手を取り合って、社会を変えていく力になっていくことを将来的に見ることができるようになることを、心から望んでいます。私やシロアムの園の力だけではなく、多くの人たちが、この子どもたちが生きる社会を作ることを。

「社会貢献者」として今回表彰していただき、心より感謝申し上げます。しかし、本当の意味でこの賞をいただくことができるのは、このケニアの社会が大きく変わり、障がい児やそのご家族をしっかりと守ることのできる社会になった時ではないかと思います。そして、その賞をいただくことができるのは、私ではなくて、私が今一緒に歩んでいる障がい児やそのご家族であると考えています。

その日が一日でも早く来るように、私はますます子どもたちやそのご家族との歩みを確かにし、スタッフと共に協力して、シロアムの園の働きを進めていきたいと思っております。

  • 学期末発表会前の子どもたちと親御さんの様子
    学期末発表会前の子どもたちと親御さんの様子
  • 乗馬セラピー サイラス君と
    乗馬セラピー サイラス君と
  • 学期末発表会集合写真
    学期末発表会集合写真
  • クリスマス発表会集合写真
    クリスマス発表会集合写真
  • シロアム日常 グレースちゃんと
    シロアム日常 グレースちゃんと
  • シロアム日常 モーリンちゃんと
    シロアム日常 モーリンちゃんと