受賞者紹介

第51回 社会貢献者表彰

社会貢献の功績

にんていえぬぴーおーほうじん ゆいねっとほっかいどう

認定NPO法人ゆいネット北海道

(北海道)
認定NPO法人ゆいネット北海道 理事長 堀本 江美
理事長 堀本 江美

2011年に北海道の女性医師の会が主体となり、「ゆいネット北海道」へと発展し、性暴力被害者支援センター北海道SACRACHを運営。性暴力被害者を専門家と支援するとともに、被害にあわない、加害者にならない為の啓蒙活動も高校や大学で行っている。
性暴力の被害者は若い女性だけではなく、赤ちゃんから高齢者、そして性別を問わない。被害者には早期のケアが重要で、周囲の人には見守る事・信じる事・責めない事など2次被害を防ぐケアも必要となってくる。また性暴力には直接的な脅迫だけでなく、援助交際や売春させるなどこれらも性暴力であることを周知している。
また、性暴力の被害にあった人には、ワンストップで医師・警察・弁護士との連携がとれ、被害者への万全の対応がとれる病院の開設に向けて活動を行っている。

推薦者:認定NPO法人 ゆいネット北海道

認定NPOゆいネット北海道は3つの活動をしています。

第一に2012年10月北海道、札幌市の2つの行政から委託を受け、性暴力被害者支援センター北海道SACRACHを運営しております。設立の頃、行政では性暴力被害者対応の拠点病院を探していました。しかし広大な北海道では産科医療そのものが危機的状況であり病院は見つかりませんでした。そこで北海道女性医師の会が中心となり相談型の性暴力被害者支援センターを設立しました。専用電話で性被害の相談を受け、病院や警察などへの付き添い支援をしています。電話相談では過去の性暴力被害の訴えが多いことにも驚かされました。50代60代の方が10代の頃の被害を訴えるのです。性暴力被害がいかに長期にわたる苦しみがあるのかを知りました。相談を傾聴し必要なら婦人科や精神科を紹介あるいは弁護士を紹介し被害者の気持ちに寄り添い支援を続けています。SACRACHを始めて子どもの被害相談が多く本当に心が痛みました。家庭内での子どもの被害対応に医師、弁護士、行政職員、教員など多職種で連携し安全確保に動き、保護に向けて力を合わせて動き何とか対応してきました。この6年間でおよそ2,000件の相談に対応しています。

第2に子どもや女性の健康支援活動として、性暴力被害者対応の専門看護師SANETを育成しています。今年はSANETが在職している病院をSANET認定病院とすることが出来ました。さらに相談や連携や教育活動を目的とした認定SA(性暴力被害者対応)カウンセラー育成にも取り組んでいます。

最後に子どもの健やかな成長支援として高校や大学、教育委員会などの行政機関でDVや性教育、人権に関する教育講演、そして公開討論講座や映画会を開催しております。

これまでSACRACHでは相談型のワンストップセンターとして性暴力に立ち向かってきましたが、被害直後の対応には医療が必須です。相談に来た女性がすぐに診察や治療が受けられるように病院拠点型のワンストップセンターを目指し各関係機関に働きかけております。

授賞式に参加して40の受賞者の活動を知り、顔を合わせてお話し出来た事は大きな喜びでした。今まで知らなかった様々な支援活動は知的な刺激となり同時に精神的な支えとなりました。私たちの活動は小さな種ですが未来にバトンを渡すときにひとつでも良い果実になっているように努力したいと思います。

様々な活動が手を結び大きな波となり日本から世界に大きな善意の心が広がり包まれることを切に願っております。関係各所の皆様に心より御礼申し上げます。

理事長 堀本 江美

  • 2018年4月ダニエラ先生とレブルエの前
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  • FM局にて
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  • フランス性被害者支援現状視察(レブルエで意見交換)
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  • 映画「月光」監督と対談
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  • 性被害支援専門看護職養成講座風景
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受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」