受賞者

第50回

社会貢献の功績

すずき たけひろ

鈴木 健大

(神奈川県)

2011年3月末、東日本大震災で被災した人たちが避難生活を送っていた神奈川県川崎市の「とどろきアリーナ避難所」で、当時川崎市職員だった鈴木氏は、ボランティアとして入った体育館で雑魚寝する子どもたちを見て「せめて勉強する場があれば」と思ったのがきっかけで、4月から会議室を借り、大学生ボランティアを募って学習支援を始めた。その後、避難所が閉鎖され学習室も避難所がある間だけのつもりだったが、受験期の中学3年の子の存在が大きく、一人でもそういう子がいるならば他にも沢山いるはずだと思い、公民館を借りて学習室を再スタートさせた。現在は、東日本大震災・熊本地震で被災して都会で生活する東北・熊本の子どもたちを対象に、川崎市と横浜市で「とどろき学習室」・「よこはま学習室」をそれぞれ週2回ずつ開催し、進学や学校の授業の学習サポートをしている。参加は無料。そのほか夏期講習、模擬試験、模擬面接、勉強合宿、キャンパスツアー(将来のことについて考える機会を創出することを目指す)、遠足、クリスマス会などの取り組みも行っている。

「どどろき学習室・よこはま学習室」代表 鈴木 健大
「どどろき学習室・よこはま学習室」 代表 鈴木 健大

「とどろき学習室・よこはま学習室」は、東日本大震災・熊本地震を受け都会で生活する東北及び熊本の子どもたちを対象にして、大学生ボランティアにより、進学や学校授業の学習サポートの機会を創出するとともに、大学生と子どもたちとの居場所をつくり、子どもたちに生きる力及び将来の夢を持ち続けてもらう機会を創出することを目的としています。

「とどろき学習室」は平成23年4月末、川崎市中原区のとどろきアリーナ避難所の中で学習支援を開始したのが始まりです。避難所閉鎖後は公民館に場所を変え、現在は川崎市中原区にて開催、川崎市、横浜市在住の中学2年生から高校3年生までの計5人が通っています。また、「よこはま学習室」を平成24年5月から横浜市西区で開始し、現在、横浜市、川崎市、藤沢市、鎌倉市、茅ヶ崎市、大和市、相模原市、海老名市、伊勢原市在住の小学3年生から高校3年生までの計30人が通っています。子どもたちは岩手県・宮城県・福島県・熊本県の出身です。子どもたちは家庭の経済状況の悪化、家族離れての生活、社会の差別・偏見などの状況に置かれ、母子家庭等生活基盤が元々弱い中で震災に遭遇した家庭も多く、これらの課題が十分に解決されないまま今日まで至っています。

これまで258人の大学生が携わり、現在は30人の大学生とOBOGが支えています。

参加は無料、平成30年7月末、開催回数は通算1,116回になりました。

また、子どもたちの楽しい思い出づくりや将来のことについて考える機会を創出することを目指し、ピクニックや大学文化祭に招待するなどの取組も行っています。

平成24年8月から夏季に宮城県東松島市にて子どもたちの学習支援を開始しました。さらに、高校に出向いて高校生と震災のつながりを考える授業を平成24年度から実施したり、商店街で熊本地震の街頭募金を行ったりもしました。

この度の西日本集中豪雨の被害には、一同胸を痛めております。神奈川県や東京都では公営住宅等における受け入れが始まり、私どもも自治体の協力を仰いで学習室への案内を開始しました。これまでの経験を生かして広域避難の子どもたちへの応援ができればと思っておりますので、引き続き皆様の御支援をよろしくお願いいたします。

今回の名誉ある受賞は、私たちスタッフの励みになりましたと共に、社会課題に向き合う多くの団体と知り合う機会にもなり、大変勇気づけられました。私たちもまた、支えられていることを実感いたしました。貴財団の皆様、これまで私たちを応援してくださっている皆様に厚く御礼申し上げます。

「とどろき学習室・よこはま学習室」代表
都留文科大学教養学部地域社会学科准教授

  • 秋の遠足_横浜こども自然公園(2016.11.13)
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  • とどろき学習室の様子(2017.7.9)
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  • よこはま学習室の様子(2017.7.9)
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  • 鎌倉建長寺合宿(2017.8.26)
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  • よこはま学習室_帰りの会の様子(2017.11)
    よこはま学習室_帰りの会の様子(2017.11)
  • クリスマス会の様子(2017.12.17)
    クリスマス会の様子(2017.12.17)