受賞者紹介

第50回 社会貢献者表彰

社会貢献の功績

しゃかいふくしほうじん いちりゅうかい ぼしせいかつしえんしせつ こすもす

社会福祉法人 一粒会 母子生活支援施設 FAHこすもす

(千葉県)
社会福祉法人 一粒会 母子生活支援施設 FAHこすもす 理事長・統括施設長 花崎 みさを
理事長・統括施設長
花崎 みさを

アジアから来た女性(労働者としてブローカーに来させられた)とその子供(日本人男性との子供)が、男性の暴力や置き去りなどのため行き場がなく困窮している母子のためのシェルター(駆け込み寺)として花崎みさを氏が1991年4月に開設した。その後、1995年認可を受けて母子寮となって公的支援を受けられるようになり、1998年に現在の母子生活支援施設FAHこすもすとなった。入所してきた母子達は、自立ができるように日本語の習得、日本で暮らすためのルールやマナー、日本の学校教育システムの説明等、教室を開いて教えている。また、法的手続きなどのサポート、専門家のカウンセリング等もあり、母子たちの自立支援を続けている。

推薦者:中島 健一郎

この度の受賞に対し、心から感謝申し上げます。ここにあらためて私共の活動の経緯と内容について報告させていただきます。

1970年代の後半から、インドシナ半島からの難民が日本にも上陸するようになり、私も1981年からベトナム、ラオス難民の子どもたちを自宅に預かり養育することからこの活動を始めました。その後アジアの子も日本の子も共に住める家作りとして、児童養護施設「野の花の家」を開設しましたが、その頃、ブローカーの仲介によっていわゆる「外国人労働者」と呼ばれる人々が、日本にも多く流入するようになり、特に女性たちは夜の巷で売春や契約不履行などの扱いを受けながら働いていました。そしてそんな女性たちに日本人男性が声をかけ、結婚や同棲という形で地域に住むようになり、言葉も生活習慣もよく解らない中で男性の暴力によって子どもを連れて家を出てくる女性たちが多くいることを知り、彼女たちと子どもたちのためのシェルターを作ったのが1991年のことでした。

資金など全くありませんでしたので、当時ボランティア活動としてアジア支援をしていた俳優の菅原文太さんのご支援で、建物を建てることができ、日本では全く新しい活動だったこともあり本当に手さぐりで活動を開始しました。それが、シェルター「フレンドシップアジアハウス・こすもす」です。不法滞在や偽装滞在になってしまっている彼女たちのために、個人運営の形でスタートしたのですが、経済的に行き詰ったことと、公費の活用のことを考えて、すでにある社会福祉法人の運営に切り替えたのが1995年で、名称も「FAHこすもす」と改名しました。

「FAHこすもす」の働きは、まず男性から身を隠し、安心安全な生活を保障すること、そして抱えている問題(離婚親権の問題、何よりビザの更新や取得などの身分保障の問題など)の解決と、その後の自立支援(日本語の習得、就労のための技術的なものの修得、家事、育児、地域生活への支援など)が大きな仕事になります。

母子は一緒に一室で暮らし、母は主にできる人は就労し、子どもは保育園や学校に通いながら前述のような問題解決と自立に向けた準備に取り組んでいます。日常生活では、種々な国の母たちがいるので、時には自国の手作り料理をスタッフや他の母子たちにふるまったりして、国際色豊かな暮らしが展開されています。

この度は推薦者である中島様との出会いのおかげでこのような賞をいただくことができ、大変光栄に思っております。又受賞された方々の活動の内容をあらためて知ることができ、私共も更なる活動のヒントや力をいただくことができました。これらを糧に、更に精進してまいります。

この度は本当にありがとうございました。

社会福祉法人 一粒会
母子生活支援施設「FAHこすもす」
理事長・統括施設長 花崎 みさを

  • 日本語教室の様子
    日本語教室の様子
  • バスソルト作り体験
    バスソルト作り体験
  • 施設内クリスマス会
    施設内クリスマス会
  • 潮干狩りに行きました
    潮干狩りに行きました
  • 流しそうめんをしました
    流しそうめんをしました
  • FAHこすもすのスタッフ 理事長を囲んで
    FAHこすもすのスタッフ 理事長を囲んで
受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」