受賞者紹介

第50回 社会貢献者表彰

人命救助の功績

かわさき だいすけ

川﨑 大輔

(佐賀県)
川﨑 大輔

2016年7月3日、佐賀県佐賀市の「道の駅そよかぜ館」に隣接するBBQ会場に来ていた川﨑さんは、付近を流れる嘉瀬川で子ども2人を抱え、沈みかけている女性を目撃し救助に向かった。川の流れは急で、水嵩は2メートルほどあり、足が着く状態ではなかった。川﨑さんは3人を抱きかかえたまま20メートル近く流され、ようやく足が川底へ着き、水の流れに逆らいながら立ち続けた。河原で様子を見ていた人が持ってきたコードを手繰り寄せ、無事に3人を救助した。川﨑さんは25歳まで10年間活躍した元力士「成剛」。

2016年7月3日梅雨明けで、仕事仲間の家族併せて20名近くで、大和の道雄駅でのバーベキューを昼から始めようと炭に火をつける際、梅雨明けということもありなかなか火が付かず、子どもたちがぐずりだしてきたので、息子2人を遊ばせようと川へ降りたが、流れが早く一目で危険を感じた。息子たちが川に入らないように、川に背を向けて石投げなどで遊ばせていた時、周囲から突然大きな叫び声が聞こえ、川の方を振り向いたら、母親が子ども2人を抱え沈みかけている姿が目に入り、咄嗟に「助けないと」と思い、息子2人に「来るな!」と叫び、一目散に母子の元に飛び込み3人を両手に抱えこんだ。

川の流れが早く、川底に足が全く着かず、何もできない状態になり、後ろ向きの格好で20メートル位流された時、1~2メートル位の落下がある場所を後ろ向きで一回転してしまい上下の区別が一瞬つかなくなった。川の外に顔を出すのが精一杯のなか、子どもを助けようと必死になっている母親の顔が目に入り、ここで諦めたら誰がこの子たちを助けられるのかと思い、「俺しかいないだろう」と発破をかけ、力が湧き出て無我夢中でもがきだした時、足の裏に固い物が当たった気がした。そこは岩がごろごろしている場所だった。ここでしか助からないと思い、必死で足場を探した。その時、右足が岩場のくぼみに触れた。ここだと気持ちを奮い立たせ、相撲でよく稽古した胸出しの形になれた。運良く踏ん張れる形に慣れたが、川の流れに逆らい踏ん張るのが精一杯の状況で、諦めてしまいそうになったが、母親が子どもに「頑張れ、頑張れ」と声を掛けるのが聞こえ、それが力士時代の応援にも似た気持ちにさせた。

ここで諦めたら死ぬと心に言い聞かせ、まさに土俵際、力士時代にも経験しなかった力が出せた。しかし体力の限界が近づいているのがわかる頃、周りに目をやると、ギャラリーが目に入った。大きな声で「ロープ!ロープ投げて!」といったが都合よくロープは無く、道の駅で使用されている延長コードを2本結んだのを投げでもらい、左手でたぐり寄せたが引っ張ってもらえず、時間だけが過ぎてゆき、体力が限界だったので、せっかく見つけた足場を捨て、延長コードを命綱にして一歩一歩川岸までよじ登り、何とか助け出すことができた。

母子には怪我もなく安心し、息子たちの所へ戻ったら楽しく石投げをしている姿を見てほっとしたことが一番印象に残っている。

川で救助をした際、車の鍵などが流されてしまい、留守番していた妻に電話して状況を話し迎えに来てといった時「バカじゃない!子どもに何かあったらどうするの」と鬼のように怒られた。

しかし、この時自分が咄嗟に取った行動をとても誇りに思っている。あの時行かなかったら後悔していただろうと、自分を誉めてやりたい。

また、川の事故が多い中、まさに死というのを間近で経験し、危険な事をしたが、今後もこのような事に遭遇したのなら、自分はまた行くのだろうなと思います。

最後に、こういうことは危険ですので絶対にやめて下さい。何か他の方法を探してくださいと言っても、行く人は行く、行かない人は行かないと思いますので、こういった状況をつくらない様に親は子どもから目を離さない!子どもは親の言うことをキチンと聞く!これだけは守ってもらいたいですね。

 

  • 力士時代の稽古場の様子
    力士時代の稽古場の様子
  • 本場所取組中
    本場所取組中
  • 断髪式前 北陣親方(元麒麟児)
    断髪式前 北陣親方(元麒麟児)
  • 引退 断髪式
    引退 断髪式
  • 親子3人
    親子3人