受賞者

平成26年度

社会貢献の功績

おまた ともこ

小俣 智子

(東京都)

平成17年に「小児がんネットワークMN(みんななかま)プロジェクト」を都内で設立し、小児がん経験者同士のネットワーク作りのサポート、実態と調査に基づく情報発信、イベントの開催、講演などを行っている。小児がんの治療の成績は上がり、7~8割が治るようになってきたが、その後の進学や就職、結婚などにマイナスとなることがあり、また「晩期合併症」が起きることもある。小俣さん自身も小児がん経験者であり、晩期合併症と向き合いながら、社会の理解を得るため自身の経験を広く訴える必要があると考え、会を設立し活動している。

推薦者:坂上 和子
小俣 智子

「続けてきたご褒美」

この度は、素晴らしい賞を賜り誠にありがとうございました。ただただ自分が必要だと思い進めてきたことが、このような形で認めていただき改めて身の引き締まる思いでおります。受賞式ではほかの受賞者の方々と交流することができ、今後の活動の糧とすることもできました。重ねて御礼申し上げます。

賞をいただいた今年度は、奇しくも現団体を立ち上げて10年目であり、私にとって大切な節目の年でもあります。立ち上げ当初は、小児がんを経験した仲間たちが、全国各地で自分たちの会を運営し始めた時期でした。それまで自身が行っていた12年間の多くの出会いや様々な活動から、小児がんを経験した仲間が5万人は確実に日本に存在すること、私たちが抱えている問題は仲間や専門職による長期的な支援のしくみが必要なこと、子どものがんはあまり世の中に知られていないことなどがわかってきました。

そして2005年、たくさんの仲間とつながること、支援者を増やし横のつながりを作ること、多くの人に小児がんを知ってもらうことを目的に、小児がんネットワークみんななかまMNプロジェクトを立ち上げました。この10年間で支援者は400名を超え、つながった小児がんの仲間も100名を超えました。

高松にて ゴールドリボン啓発イベントで挨拶
高松にて ゴールドリボン啓発イベントで挨拶

加えて小児がん支援のしくみとして、がん対策基本法の下に2011年国が小児がん医療・支援体制の構築に取り組み始めました。その拠点として、現在全国に15の小児がん拠点病院が指定されています。このような時代の流れの中で、私たちの声を社会へ発信し構築中の体制づくりに関わっていきたいという目的から、「共に生きよう。小児がん横浜宣言」を80名の小児がん経験者と共に作成し、2012年発出しました。宣言は、1.小児がんの自分を受け入れる、2.小児がんを自信に変える、3.小児がんを正しく周りに伝える、という3つを私たち(小児がん経験者)ができることとして冒頭に挙げました。そしてこの3つを実現していくために、医療者、教育者、家族、行政、社会への具体的なお願いを述べています。

小児がん経験者の生存率が7~8割と向上する中で、本人への関わり(告知・説明・健康教育など)、就学の地域格差、成人科への移行、発症から成人後までトータルな支援、家族(特に親・きょうだい)への支援、社会保障制度の充実など、継続あるいは新たな課題も浮上しています。私自身は、後進の育成、病気や障がいを越えた「課題解決」中心の支援体制などが今後の取り組み課題となっています。

こういった課題が解消されつつ、この宣言が実現する社会を目指して、さらに次の10年を進んでいきたいと思います。

最後に、夜空の星になっていた私たちのたくさんの仲間を常に心の中に留めながら、仲間の分まで生きられる限り精一杯生きていこうと思います。

小児がんネットワークみんななかまMNプロジェクト 小俣智子

  • 福岡にて 第二回小児がん経験者交流会 メッセージを掲げる参加者
    福岡にて
    第二回小児がん経験者交流会
    メッセージを掲げる参加者
  • 小児がん啓発シンボルのコゴールドリボンをかたどったチャリティークグッズ
    小児がん啓発シンボルのコゴールドリボンをかたどったチャリティークグッズ