受賞者

平成25年度

人命救助の功績

かわの しょうじ

河野 正二

(茨城県)
河野 正二
かわの よねこ

河野 よね子

(茨城県)
河野 よね子

平成24年11月27日午前8時45分頃、茨城県日立市のアパート3階で、男児(3歳)が窓の格子の間に頭が挟まり、首から下が格子の外側に出て宙吊りのような状態で泣き叫んでいる所を、向かいのアパートから河野よね子さんが発見し、夫の正二さんと救出に向かった。正二さんは男児の部屋に向かい、よね子さんは119番通報した。男児の部屋は施錠されていたため、正二さんはアパートの共用階段の踊り場から、男児が宙吊りとなっている階下の住宅のひさし(奥行約45cm、幅2.25m、地上まで高さは約7m)に飛び移り、ひさしの上で消防隊が到着するまで男児を支え続けた。男児は軽傷で済んだ。

推薦者:日立市市長 吉成 明
河野宅からみた現場
河野宅からみた現場

平成24年11月27日の朝、妻のよね子が出勤前に洗濯物をベランダで干していたところ、どこからか子供の泣き叫ぶ声が聞こえてきたので、ふと向かいのアパートの方を見ると、3階の高さ約10mの窓の格子に頭が挟まり、首から下が外に出て宙吊り状態で助けを求めている3歳男児を発見した。

驚いた妻が寝ていた私を起こし、事情を聞いた私は慌てて下着姿のまま、男児の落下を考慮し、クッション代わりの布団を抱えて大急ぎで男児の元へと駆けつけた。

妻が男児宅へと向かったが、男児宅は施錠され不在だったので、近所も全てインターフォンを鳴らしてみたが、生憎平日の出勤時間を過ぎた頃であり、アパートで在宅している家はなかった。

手前3階が子供の家、奥2階が河野宅
手前3階が子供の家、奥2階が河野宅

その為、妻は近所の家に電話を借りて119番通報し、私はこのままでは男児が窒息してしまい危険だと判断して、階段の踊り場へ行き、そこから防護壁によじ昇り、約1メートル離れた2階の廂に飛び移った。廂は奥行が4.5cm、巾2.25cmと非常に狭く、自分自身も10mの高さから落下の可能性があり、恐怖や命の危険も感じたが、私にも同じくらいの年頃の孫がおり、助けを求めている男児と孫が重なって見え、何が何でも助けたい、その一心で必死に男児の元へと辿り着き、片手で自分の体を支えながら、窒息しないように反対の手で男児を抱え上げて、レスキュー隊が到着し、はしご車で救出されるまでの約7分間、「大丈夫だ、がんばれ」と真っ青な顔でグッタリしてしまった男児を励まし、声をかけ続けた。たった10分弱だったが、その何倍にも私には思えた。

腕は痺れて感覚はなくなり、足は震え、いつ落下してもおかしくない状況で、どうしてあれだけの力が出せたのか、無我夢中だったとしか言い様がありません。

今回、目の前の小さな命を助けたい、その一心で行った行為で思いがけずこの度受賞のご連絡を頂き、恐縮するとともに、改めて振り返ってみると、救出された後、母親とともに元気に走り回り男児が笑顔を見せてくれたこと、男児の家族の喜びの笑顔等が思い出され、この家族の未来や笑顔を守ることができ非常に喜びを感じるとともに、命の大切さを考えさせられ、私にとって一生忘れられない出来事になったことを感慨深く思います。

 

平成24年12月18日、日立市消防長出頭正道様より人命救助感謝状を頂き、この日立市長吉成明様よりご推薦いただき、この様な名誉ある立派な賞を戴けることになりました。有難うございます。

社会貢献者表彰式典の会場では、650余名の中での受賞で感涙むせぶ思いであります。改めて日下会長をはじめ関係者の方々に御礼と感謝を申し上げます。私たち家族にとって一生の想い出になりました。ありがとうございました。

  • 3階から7m下を望む
    3階から7m下を望む
  • 救助現場。わしづかみみにした壁のくぼみ
    救助現場。わしづかみみにした壁のくぼみ
  • 首が挟まった格子
    首が挟まった格子
  • 飛び乗った踊り場(約1mの高さ)
    飛び乗った踊り場(約1mの高さ)
  • 消防本部にて感謝状を受け取る河野さん
    消防本部にて感謝状を受け取る河野さん
  • 8_消防本部にて感謝状を受け取った河野さん
    消防本部にて感謝状を受け取った河野さん
  • 毎日新聞(2012年12月19日付)
    毎日新聞(2012年12月19日付)
  • 朝日新聞(2012年12月20日付)
    朝日新聞(2012年12月20日付)
  • 茨城新聞(2012年12月23日付)
    茨城新聞(2012年12月23日付)