NPO法人 トラストサルン釧路
北海道の国立公園で、面積約22,000ha、山手線の内側の3倍以上の広さがある日本最大の湿原、釧路湿原の保全を目的に、1988年から活動する市民参加型団体。会員数は約200名。今年36年を迎えた。この湿原にはシンボルの特別天然記念物「タンチョウ」を始め「キタサンショウウオ」が生息している。国立公園に指定された当時、指定地域以外の丘陵地ではリゾート開発や森林伐採により自然林の消失が進んだことから、自然愛好家が集まり、寄付を募ってわずかな土地を地主から借り、ナショナルトラストの草分けとして自らの手による保全活動を開始。国立公園から外れた湿原の平坦な土地は、ソーラーパネル建設のターゲットとして狙われやすく、寄付金で土地を買い取ったり、土地の寄贈を受けたり、地主と保全協定を結んだりして保護地を拡大している。現在その範囲は80箇所、677ヘクタールに及ぶ。取得した丘陵地の水源林再生では、地域の遺伝的特性を大切に、植える苗は、地元で採取した種を苗に育ててから植えるといった手間と時間のかかる作業を丹念に継続している。
この度は、貴財団の社会貢献者表彰をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
釧路湿原は時代の移り変わりとともに様々な開発の危機にさらされています。戦後は、農地や住宅地へと開発され、リゾートバブルの最盛期には、湿原や周辺の丘陵地にはゴルフ場や工場の開発計画がありました。現在では、メガソーラー開発といった危機があります。
その中で、湿原を谷地とよび、役に立たない土地と呼ばれていた時代からも、湿原を大切な土地として守ろうと立ち上がった人々がいました。絶滅したとされていたタンチョウの住む土地を天然記念物とし、さらに釧路湿原と名を付けました。その釧路湿原は、国立公園として保全されることとなりました。
しかし、公的機関のみでは釧路にある湿原の全体を保護することはできず、湿原の水源となる周辺丘陵地や国立公園の範囲とならなかった湿原は開発の波にさらされていました。トラストサルン釧路は、1988年に釧路湿原とその周辺に民間で自然保護地を作ることを目的に発足しました。当時はリゾートバブルの最盛期で、周辺にはゴルフ場を始めたくさんの開発計画があり、ナショナル・トラストの方法で市民から寄付を集めて保護するために土地を取得することにしました。幸い現在までに土地取得資金のためのご寄付は3,700件を超え、84か所合計680ヘクタールの保護地を持つまでになりました。
時代とともに変わる湿原開発の危機に対して、ナショナル・トラスト活動を37年間愚直に続けてきたことで、現在のメガソーラー開発の危機に関して、わずかな土地ではありますが先手を打って貴重な動植物の住む土地を守ることができています。これらは寄付や土地の寄贈をされた方々によるご支援があっての成果です。また、道東地域に関わる公的機関の皆様のトラストサルン釧路の土地取得に関わる協力体制があるということも大きな力となっています。
今後もどのような時代、どのような開発危機があっても、当会、行政、市民の皆さんが一体となって釧路湿原を大切にしようという思いをつなげていくよう活動していきたいと思います。
今回の貴財団からの社会貢献者表彰受賞は、当会のみならず釧路湿原に関わる地域の受賞として共有させていただきます。地域を代表し厚く御礼申し上げます。

























