チャイルドライン ハートコール・えひめ

2022年、日本の児童・小中高生の自殺者は過去最高の514人になった。子どもが大人に希望することは「話を最後まで聴いてくれること」「相談場所を増やして相談しやすくしてくれること」。チャイルドライン ハートコール・えひめは2001年に設立され、そうした子どもたちの要望に応えている。全国統一フリーダイヤルと子ども電話「ひびき」の2回線で、5と0の付く日に全国からかかってくる子どもたちからの電話に24名のボランティアが対応をしている。これまでの着信数は56,000件以上。ボランティアは20.80代の主婦を中心とした女性が多く、12講座の講習を受けた後、事務所内で全国各地からの電話を受ける。昔は、逆上がりができた、賞を取ったなどの嬉しい報告を誰かに聴いてほしくてかけてくることが多かったが、現在は心療内科にかかり、薬を服用していたり、SNSに関する問題を抱えていたりする子どもが多い。子どもたちにとって、専門家への電話相談はハードルが高く「近所のおばちゃん・おじちゃんに話を聞いてもらいたい」という感覚でかけてくる。子どもが主体で、どんな気持ちも無条件に全て受け入れることを大切にしている。そして、子どもたちの声を社会に発信することも行っている。
この度は、社会貢献者表彰という大変栄誉ある賞を賜りまして誠にありがとうございます。
私たちの活動は主に、子どもの声に耳を傾け、その心を受け止め寄り添う。理解を示す人がいることで、子どもは自分の力で歩んでいくことができる。そんな思いを基本においております。
現在40都道府県69の団体が、チャイルドラインを実施しており、私たち「ハートコール・えひめ」もその仲間です。
県内でも子どもを取りまく環境は厳しく、不登校や虐待は増え続け、子どもたちは身をもってSOSを発信しています。
そんな子どもたちからの声に耳を傾け、心の居場所づくりをサポートするため、私たちは民間で子ども電話「響」を設立し、23年子どもの声を聴いてきました。
子どものひみつを守り、活動するメンバーを守るためにボランティアは匿名です。
私たちは自分の子育てに反省したり、自身を社会に役立てたかったり、学びたかったり、子どもが好きだったり。自分が子どものころ話せなかったり、聴いて貰えなかった等、経験を持つ普通の大人です。
大人が子どもの話を、気持ちを聴く事は難しく、大人の価値観を押し付けそうになったり、評価しそうになります。定期的に継続研修や養成講座で学び、傾聴を思い出し、心を整えます。
いい時も、そうではない時も続けて来られたのは楽しかったから、この活動が好きだったからです。
子どもたちの声を社会へ届け、これまで多くの仲間や支援者の方たちと出会うことが出来ました。今回の授賞はそこで出会った方、お一人お一人の思いが積み重なり大きな形になったものと感謝しております。
静かな活動に光をあててくださりありがとうございます。
これからも子どもの声に寄り添い、安心して話ができる心の居場づくり、子どもから信頼される電話でありたいと願い、活動して行きたいと思います。