NPO法人 Trellis
2006年から語学講師育成の為、ベトナム及び東南アジアで日本語と英語の講師のインターンシップを行っている。2017年にはベトナム政府からINGO組織としての認可を受け、ダナン市のドンア大学との連携で、語学アシスタント講師を派遣し、観光産業が急速に発展する同市において、語学習得により就業の機会を広げている。ドンア大学では日本企業や自治体等と連携し、インターンを日本に送っている為、日本語検定の取得が重要となっている。また、教育の機会に恵まれない貧困層の小学生から大学生までを対象に語学レッスンを無償で行っている。看護学科を有するドンア大学は、介護人材を日本に派遣していて、派遣先との労働条件の交渉も大学自ら綿密に行うことで、派遣される人の日本での生活環境を整え、同団体が行う語学教育により、更に質の高い人材を送り出すことに成功している。東南アジアからの就労者に関しては、送り出す側、受入れる側、それぞれが社会問題化する中、同校と同団体の活動により、両国と両国民にとって良好な就労関係を築いている。
この小さな活動を細々と続けてきて5年。海外での活動はコロナ禍で大きな打撃を受け、主たる事業である語学講師インターンの現地派遣ができず、オンラインでの活動にシフトしてからもうすぐ3年になろうとしています。
今回、私たちの活動がこのような素晴らしい賞をいただけることとなり、多くの皆様のご協力の輪で成り立っているこの活動を評価していただけたこと、本当に嬉しく思っております。コロナ禍で活動が限定される中、燃料切れに近づいていた心のタンクに新しい燃料を注入していただけたようで、これからの活動を継続・発展させていく上で大きな力となりました。パートナーであるドンア大学からも、さらに一層日本語教育に力を入れ、ベトナムと日本の架け橋となる若者の育成に努めていきたいとのお言葉もいただいております。
私たちの活動のこれから、ですが2つの方向性で活動の目標を設定しています。まずは日本語教育支援事業の基盤を整えることです。2022年11月にコロナ禍後、初めて現地に渡航し、専門家を招聘したベトナム人日本語講師のスキルアップ研修、そしてドンア大学学生を対象にした日本語検定試験対策講座を実施いたしました。2023年度はこれらの事業をさらに発展させ、コロナ禍で来日が叶わなかった若手のベトナム人日本語講師の日本への招聘と、日本語講座補助教材の制作に新しく取り組みます。また児童養護施設で暮らす高校生たちへの本格的な講座を開講し、大学進学に備えた準備と資格所得を支援していく予定です。
そして2つ目。2023年2月末よりいよいよ現地へのインターン派遣が再開します。これまで海外に出ることが叶わなかった日本の若い世代にぜひベトナムに渡航してもらい、現地の同年代の若者と触れ合う中でその場でしか体験できない時間を過ごしてもらいたいと思います。日本において外国人と共に暮らす社会の構築は大きな課題を抱えたまま歪な形になりつつあるように思います。互いを理解し、共に問題を解決し、言葉や文化、慣習の壁を打ち破って「人として」心温まる交流ができる社会の構築の一端を担える人材を育成していきます。
私たちのような小さな活動にスポットライトを当ててくださり、本当にありがとうございます。今回の受賞を励みに、さらにこの小さな活動を積み重ねることで大きな力を生み出し、より良い社会の創造に貢献できる団体へと成長していきたいと考えています。
代表理事 田中 夏生
パートナー大学のドンア大学で日本語の集団授業を行う様子
ドンア大学では英語よりも日本語学習者の方が多く、ニーズも高いです。 大人数の授業では、教室内を循環しながら理解できていない学生がいないか注意しながら進めていきま す。
少人数のクラスの様子
将来日本の企業や日本でのインターンを目指している学生を対象に少人数制クラスを開講。 学生たちは授業の合間の時間を有効活用して勉強に励んでいました。 手前の女性の学生は、2022 年3月に日本のホテルでのインターンのために来日し、受付スタッフとして 働いています。
日本語能力検定の勉強
3級以上の合格をすることでインターンに行くことができるようになるので、4級から3級へと対策を 行っていきます。
日本語インターンとして派遣された相原恭平さん
当団体での活動を経て現在は在留外国人の日本での生活を支援しています。
Family4 での授業の様子
日本語は、ひらがな・カタカナ・漢字と文字の種類も多いです。まずはひらがな・カタカナで短い単語 を読むことで、読むスキル、発音・イントネーションを定着させます。
Family4 での活動の様子
Family4 は幼児から高校生までが生活します。授業がスムーズに実施できるように、年齢ごとに大きく2 つに分けて実施します。 勉強以外にも日本の文化も紹介することで、より日本に興味を持ってもらいモチベーションをあげるこ と、維持することも大切な活動です。
ひらがな・カタカナの読みを単語と一緒に覚える様子
食べ物などの身近なものから、読みの練習と一緒に覚えます。
Family4 での全体授業の様子
子ども達はゲーム感覚で楽しく学ぶことで継続して勉強できるようになります。








