受賞者紹介

第58回 社会貢献者表彰
いっぱんしゃだんほうじん くりや

一般社団法人 kuriya

(東京都)
一般社団法人 kuriya 代表理事 海老原 周子
代表理事 海老原 周子

日本で暮らす、外国にルーツを持つ若者を対象とした人材育成に取り組む団体。アートを通して外国人移民の若者や日本人が交流する場をつくりたいと海老原周子さんを中心に2009年から活動を開始。2014年までにアートを取り入れた多文化理解ワークショップを100回ほど実施した。海老原さんは参加した外国ルーツの高校生が学校を中退したり、進路が決まらずそのまま卒業したりする様子をみて支援が必要だと感じた。小中学生の外国人の子どもや大人に対しては、就労や日本語学習等の支援があるが、高校生から社会人(16歳.26歳)の若者の支援制度がない。それならばと、2015年から定時制高校を拠点にキャリア教育や放課後部活動でアートを通した居場所づくりと交流の機会を創出。若者がインターンとしてアート企画作り等、ともに運営する側に回り、スキルや指導力を磨いてもらう活動を続けてきた。しかし、現場での実践だけでは課題が解決されないと感じ、2018年からは、外国ルーツの高校生や若者が住みやすい社会づくりのために省庁(文科省・入管庁・厚労省)に政策提言活動を行っている。

推薦者:金 聖源

この度は社会貢献者表彰を頂き、心から感謝申し上げます。このような形で、私たちの日頃の地道な活動が認められ、大変うれしく思っています。

推薦者である金 聖源さん、理事の桑原優希さんや渡邉愛さん、元理事の皆様やスタッフの安奈緒さんなど、多くの方々の支えがあって、受賞出来たものだと思っています。

一般社団法人kuriyaは、外国ルーツの若者の人材育成を目的としています。2009 年に活動を始めた当初はアートを取り入れた多文化理解ワークショップを実施していました。2014年までに開催したワークショップは100 回 ほどになります。活動を続ける中で、ワークショップでは目を輝かせながら参加していた高校生や若者たちが、学校を中退してしまったり、卒業後も進路が決まらず不安定な生活を続けている様子を目の当たりし、なんとも言えない歯痒さを感じていました。外国ルーツの高校生や若者たちが、たくさんのポテンシャルを持ちながらも、日本社会の中で活かせないまま、でいることにに何かせずにはいられませんでした。

2015年ごろは、外国人の小中学生や大人に対しては、日本語学習等の支援があるものの、高校生や若者のみを対象に活動する団体は少なく、誰もやらないなら自分がはじめようと、外国ルーツの高校生が多く在籍する定時制高校での居場所づくりや、学校外でのインターンプログラムなどをはじめ、キャリア教育の事業へとシフトしました。
活動を続けてから3年経ち、事業に手応えを感じつつも、現場での実践だけでは課題が解決されないと感じ、2018 年からは制度面の働きかけをすべく政策提言に取り組み始めました。省庁はじめ政策形成に携わる方々のご尽力のお陰で、文科省による中退率などの調査や入管庁による在留資格の要件緩和など、多くのことを実現する事が出来ました。

小さなアートワークショップから始まった活動が、まさか政策提言にまでつながるとは思いも至りませんでしたが、走り続けてきた一方で、受賞のご連絡を頂いた時は、実は心身共に疲弊している状況が続いていました。
今でこそ、外国人材受け入れや多文化共生という言葉が一般的に使われるようになりましたが、私たちが活動をはじめた当時は、その意義を全くわかってもらえず、誰からも理解されない中で活動し続ける事は、とても辛い道のりでした。
ただ、受賞の嬉しいニュースをお知らせしようと、連絡先のリストをつくる中で、実績も肩書きもない時代から応援してくれ、支えてくれた方々。、して出会ってきた子どもや若者たち、そのお母さんやお父さん、ひとりひとりの顔が浮かび、20代の時に事業を立ち上げてからずっと孤独を感じていましたが、私は1人じゃなかった。こんなに沢山の人達が周りにいてくれたんだと、心から感謝の気持ちでいっぱいになりました。
共に走り続けてくださった角田仁先生、徳永智子先生、アーツカウンシル東京の森さんやPOの皆様、トヨタ財団のPOの皆様、国際交流基金の元先輩同期後輩の皆様、fishfamily財団の皆様や日本フィランソロピー協会の高橋様などとてもここでは書ききれないぐらいたくさんの方々が、外国ルーツの若者たちのために動いてくださいました。
 
あまり何も考えず、とにかく勢いと、移民の若者との出会いで突っ走ってきましたが、ここまでこられたのは、子どもたちの力が大きかったです。出会った時小学生や10代だった子どもたち、えびちゃんと呼んでくれたかわいい中高生たちも、結婚したり社会人として働いていたり子どもが生まれたりと、時は巡っていきます。これまで出会ってきた子ども若者たちは、外国ルーツの子も日本の子も含めて500人以上になりますが、どの子もみんな素敵です。一人ひとりの未来が、少しでも豊かなものになるよう、これからも微力ながら自分が出来ることを積み重ねていきたいと思います。

代表理事 海老原 周子

  • ユーススタッフの夜ワークショップの様子
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  • ユースインターンとアーティストとの共同企画ワークショップ
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  • マレーシアでの国際プロジェクト
    マレーシアでの国際プロジェクト
  • ワークショップの様子
    ワークショップの様子
  • ワークショップの様子
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  • ルービックキューブ
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  • 映像ワークショップの様子
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  • 街の多様性を見つけるワークショップ
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  • 定時制高校での活動の様子
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