受賞者紹介

第53回 社会貢献者表彰
みやざき よしふみ

宮崎 慶文

(東京都)
宮崎 慶文

厚労省統計によると2019年4月30日現在、中国残留孤児の「永住帰国者総数」は2,557人。中国帰国者の個人的事情は、年齢・生活の貧富・育ち方・学歴・日本語が話せるかどうかなど千差万別である。周りの人が手を差し延べたくても個別の対応は難しく、集団となるとなおさら困難である。
日本に帰国して21年になる宮崎さんは、中国で大学教授であった経験を活かし孤立しがちな帰国者のために、弁護士指導のもと2009年「NPO法人中国帰国者・日中友好の会」の設立に貢献。同会では、日本語教室、中国語教室、日本舞踊、中国舞踊、合唱団等の教室を週替わり、曜日ごとに開催。先生は全てボランティアで教えており、参加者はそれぞれの教室で約5.10人。宮崎さんは、中国語教室で指導しているほか、近年中国をはじめとする外国人の居住者が多く、診療所や病院などで医者と患者の通訳も行っている。
帰国者の孤立しがちな日常をサポートし生活向上に努め、帰国者と市民をつなぐ活動を続けている。

推薦者:笠原 五郎

私は公益財団法人社会貢献支援財団から第53回社会貢献者表彰受賞決定のお知らせの手紙をいただき、全然思わなかった、本当にうれしいです。特に11月25日表彰式典で安倍昭恵会長から表彰状を受けたとき、とても感動しました。言葉を越えて感激いっぱいです。

私は70年前、大連で戦争のせいで父と生き別れになり、ちょうど1歳の時、孤児になった。中国の養父母が私を引き取って自分の子どものように苦労して育てて、小学校から大学卒業まで全部養父母のお金で助けてくれました。中国の養父母の海の奥深くへの恵み、一生忘れられないです。私は毎年家内と一緒に中国へ養父母のお墓参りのため行きます。

私は中国で26年間仕事をしていました。中国人民によって私は培われ、大学の教授になりました。帰国後、どうやって中国人民に恩返しをしようかとよく考えています。

2008年中国の四川省で大地震が発生しました。たくさん学校が崩れ、われわれ全国の孤児たちは、自分の生活費を節約して一ヶ月ぐらいで1,700万円集まり、このお金の使い道を書き、中国の大使館と中国外務省と中国教育部などの部門に送りました。やっと、2010年中国の四川省に太山村小学校が建てられました。私たちはこの間、3回代表団としてこの小学校へ慰問に行きました。

私と家族4人は1997年2月永住のため帰国して22年になります。帰国してから、私は決意して自分の生活のため、地域住民交流のため、日中友好のため、必ず日本語を一生懸命勉強しなければなりません。私は51歳から日本語を勉強したばかりです。

困難を乗り越え、拓殖大学で9ヶ月日本語の勉強をして、虎ノ門の民間日本語学校で1年半位日本語を勉強して、さらに笠原五郎先生の日本語教室で8年間日本語の勉強をしました。平成30年2月東京セントラルライオンズクラブ開催第33回の中国帰国者日本語発表会で、私は最優秀賞を貰いました。帰国して22年間、私は地域の日本人に中国語を教えているとだいたい300人になりました。

大田区中国帰国者センターの医療担当になりました。2008年、池田澄江理事長に協力して、NPO法人中国帰国者・日中友好の会設立のため、各種資料を書いて、整理して、東京都庁に提出し、当年9月東京都庁から承認されました。私は責任者として、いろいろな教室をつくりました。帰国者たちは老後の生活を毎日楽しみにしています。毎年私は会員を連れて台東区の老人ホームと大田区の老人ホームに慰問に行き、出し物をします。(合唱、日本舞踊、楽器の演奏、中国舞踊と太極拳など)

東日本大震災の時、NPO法人中国帰国者・日中友好の会の十八番が餃子を作ることで、皆さんは手づくり餃子9,000個用意して2台のマイクロバスを借りて我々幹部の8人が夜岩手県へ出発して、翌日朝到着してすぐに餃子を茹でて、スープを作り被災者たちに温かい餃子を食べてスープを飲んでもらいました。我々の気持ちも晴ればれしていました。

笠原五郎先生と武井優先生が私を社会貢献者表彰に推薦してくださり、受賞することができました。心より感謝しております。同時に公益財団法人社会貢献支援財団の選考委員の皆様とスタッフの皆様に感謝しております。

今後、私は自分自身に励まし、日中友好事業のため、一生懸命貢献したいと思います。

  • 中国帰国者・日中友好の会 設立総会
    中国帰国者・日中友好の会 設立総会
  • 2017年6月中国北京人民大会堂にて 中国帰国者・日中友好の会のメンバー102人とともに
    2017年6月中国北京人民大会堂にて 中国帰国者・日中友好の会のメンバー102人とともに
  • 2010年四川省眉山件太平村小学校を訪問
    2010年四川省眉山件太平村小学校を訪問
受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」