受賞者紹介

第52回 社会貢献者表彰
ぽりおのかい

ポリオの会

(東京都)
ポリオの会 代表 小山 万里子
代表 小山 万里子

ポリオに罹患し障がいを抱えている人たちが活動している当事者団体。
ポリオ、ポストポリオ症候群(ポリオに罹患した人が、ポリオ発症から数十年後新たな手足の筋力低下、しびれ、痛みなどの症状が発現する)を発症していた小山万里子さんが、自分以外にも同じように苦しんでいる人がいるに違いないと、1995年に新聞の投稿欄で呼びかけ、活動が始まった。
主な活動は、現在ポリオやポストポリオ症候群について知っている、又は診断できる医療従事者が少ないことから、情報やデータを提供し実情を伝えて診断のできる医療従事者を増やしていくこと。また日本では生ワクチン接種によるポリオの発症が続いていたことから、不活化ワクチンへの切り替え要請を、署名活動や世界のワクチン状況地図(日本が先進国と言われる国々のなかで不活化ワクチンへの切り替えを行っていないと一目でわかる)を作製して、2012年の切り替えに貢献した。
医療難民化したポリオ患者へのフォローを日常的に行い、ポリオ根絶を訴える取り組みを続けている。

推薦者:米本 恭三

ポリオの会は、1995年にポリオとポリオ後症候群の医療と情報を求めて発足した患者会です。この度、第52回社会貢献者表彰をいただき、これまでの私どもの活動を評価頂きましたこと、大変うれしくお礼申し上げます。

日本では、2012年9月にポリオワクチンが生ワクチンから不活化ワクチンに切替えられ、以後、新たなポリオ患者は発生しません。この不活化ワクチン切替え実現には、生ワクチン由来ポリオ患者とその家族が大変な貢献をしたことと、彼らや先にポリオになった私たちの「自分たちと同じ思いをこれ以上だれ一人させたくない」という思いを、関係の皆様が深く受け止めて下さったことが大きく、感謝しております。しかし世界ではまだポリオは根絶されていません。WHO、ユニセフ、ロータリーはじめ多くの機関、多くの方々がポリオの根絶を目指しています。私たちもポリオを生きている者として声を挙げ続けることで、ポリオ根絶への道のりに少しでも役に立てるようにと思っています。

現在、ポリオは日本では、また世界でも、ほぼ根絶された疾患、終ったものとみなされ、医療からも忘れられています。しかし、私たちは今も疾患、障害と戦いながら生き続けているのです。ポリオに罹った私たちの最後の一人が生きている限りポリオの根絶はない、ということを知って頂きたい。そのために声を挙げ続けます。日本の一番幼いポリオ患者は今8歳。この子が生を全うするまで医療や疾患の情報、福祉を確保するのは、私たち先にポリオになった者の責務ですし、ワクチン被害未認定、ポリオと診断されないままの方たちの救済と支援を求めるのも当会の役割です。そしてポリオ罹患者の半数以上が数十年後に新たに発症するポリオ後症候群への理解と対処を求めて活動していきます。

私たちの活動が、世界のポリオ罹患者に役立ち、そして医療と障害福祉の充実につながるよう、この賞を有効に使わせていただきます。

授賞式では様々な分野で社会貢献されている皆様に、学ばせていただきました。

社会貢献支援財団に、篤くお礼申し上げ、今後も活動を続けてまいります。

代表 小山 万里子

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  • 2018年3号用旅行会
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  • 厚労省陳情のアオ君みづき君
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受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」