受賞者紹介

第51回 社会貢献者表彰

社会貢献の功績

こうせいほごほうじん とちぎめいとくかい

更生保護法人 栃木明徳会

(栃木県)
更生保護法人 栃木明徳会 理事長 石崎 常藏
理事長 石崎 常藏

矯正施設出所者や保護観察中の女性で、頼るべき人がおらず、直ぐに自立更生することが困難な人たちに対し、一定期間、宿泊場所や食事を提供し、就労支援や社会復帰に必要な生活指導を行うなどしているが、全国でもこのような女性の更生保護施設は数少ない。創立110年と歴史も長く、途中建物をバリアフリー化し、高齢者や障害者の受け入れの特別処遇を行う施設として指定も受けている。薬物の指定施設でもあるため、覚せい剤の対象者の受け入れも多く、薬物治療を受けているものも多く、心のケアも含め、認知行動療法など薬物依存からの回復支援を実施している。
活動の中で、農作物を育て、収穫までを体験することで、心の癒しや達成感、自尊感情の回復に役立てている。また、地域協力者による野菜づくり委員会を立ち上げ、収穫した作物の販路を開拓し、自立支援金を支給するなどの自立支援にもつなげている。女性は男性に依存して生きてきて、就労経験が少ないケースも多いため、継続して就労するということが難しい。こうした入居者への声掛けや励ましは常に気をつけている。
フォローアップ事業として、自立後の元入居者を訪ねて様子をみたり、電話相談に応じたり、希望があれば生活相談等も続けている。

推薦者:更生保護法人 ウィズ広島/全国更生保護法人連盟/
更生保護法人 両全会

表彰を受けて

この度、表彰を受け大変有難く感謝しております。

特に当会が記念すべき創立110周年を迎えた本年の受賞は、当会並びに役職員をはじめ日頃ご支援をいただいております関係者全員にとっても今後の活動に大いに力になります。

当会の沿革概略は「栃木囚獄」が明治6年1月開庁の栃木県庁舎内に設置され、同9年栃木囚獄改め「栃木監獄本署」が町内旭町に新築移転し、同17年「栃木分監」となり同39年11月、栃木分監が女子受刑者収容開始してから現在に至る女子専門の刑務所となり、当会は同41年1月5日、女子受刑者の免囚事業を目的にボランティア活動の父「平岩幸吉」の主唱により、町内仏教寺院の栃木仏教相愛会の住職たちと平岩は、托鉢修行の浄財をもって栃木分監内で誕生した。その後同43年「栃木保護会」に改称、その年「下野保護会」と合併、「下野保護会栃木女子部」となった。同45年と大正3年には、多くの町民の浄財により2棟の収容施設を作った。同10年分離独立「下都賀保護会」となり、昭和8年10月旭町より現在地神田町に施設を新築移転、同34年更生保護会の経営が刑務所職員の兼務より民間人が行うことになり、その初代会長に近竜寺松涛住職が就任しました。

平成7年本館新築、同8年「更生保護法人」と変更になりました。この間、天皇誕生日御下賜金4回拝受、同19年瀬戸山賞授与されました。

以上の通り当会の歴史の中で、はじめより町当局経済界多くの町民からの支援の伝統があり、現在まで続いています。

現在当会取組みを紹介しますと、平成16年に心身両面の健康増進と社会適応能力の向上等を目的とする「セルフコントロールプログラム」を開始しました。さらに同25年指定の「薬物重点実施更生保護施設」としてスマープ6を中心に取り組み、同28年指定の「指定更生保護施設」として施設のバリアフリー化工事を実施、さらにフォローアップ事業について数年前より実績を積み上げています。

最後に今回の受賞を機にさらなる保護事業の改善を図り安心安全な社会をつくるため積極的に挑戦を続けてまいります。

理事長 石崎 常藏

  • 近隣の住職による法話
    近隣の住職による法話
  • 玉ねぎの収穫作業
    玉ねぎの収穫作業
  • 玄関先のバリアフリー工事を実施しました
    玄関先のバリアフリー工事を実施しました
  • 更生保護女性会による食事会
    更生保護女性会による食事会
  • 農作業 とうもろこし畑の草取り
    農作業 とうもろこし畑の草取り
  • 農作業 マルチ貼り とうもろこし植え付け準備
    農作業 マルチ貼り とうもろこし植え付け準備
  • 農作業 れんげ草畑で休憩中
    農作業 れんげ草畑で休憩中
  • 農作業 宮ネギ畑の草取り
    農作業 宮ネギ畑の草取り
  • 薬物指導 セルフコントロールプログラム
    薬物指導 セルフコントロールプログラム
受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」