このたび、第50回という記念すべき表彰式典に栄誉ある賞を賜りましたこと、格段の喜びであり、心からお礼申し上げます。

著名な企業がかかわる奨学財団が数ある中で選ばれましたのは、私どもの事業が100周年を迎えることができたのが大きな理由と拝察いたします。

1917年４月、岡谷家10代・岡谷惣助岡谷合資会社（現岡谷鋼機株式会社）社長は、智徳礼を重視する英才教育の場を提供し、学資に窮する者に援助し、将来最高学府を卒えて立派な社会人・国家有為の人材を育成することを目的として学寮（真照学舎）の提供、奨学金の給付の事業を始めました。

真照学舎には設立時からご指導いただいた、旧制第八高等学校初代校長大島義脩氏による『天順人信』の他、大実業家澁澤栄一翁、尾張徳川家19代徳川義親氏、海軍大臣八代六郎氏による書が掲げられており、この偉大な先達に見守られて多くの学生が育ちました。

1938年12月には財団法人となり、その後、戦時中及び戦後の混乱期にも、また、高度経済成長‐バブル崩壊‐デフレ‐低成長と時代が大きく変化する中でも堅実に事業を継続することができました。

2011年4月、公益財団法人に移行しましたが、社会の構造が変化する中で学生の選抜に当っては経済的事由がより重視されるようになりました。素質豊かで将来を嘱望される若者が経済的事由により脱落していくのは、本人はもちろん、国家・社会にとっても大きな損失と愚考いたします。社会発展、日本の各界のレベル押し上げのためにも奨学事業の要請が年々高まっております。これまでの卒業生の皆さんがその後、各界で活躍されているのを見ることができるのは誠にうれしい限りです。

平成30年度におきましては、東大、名古屋大、京大、大阪大、筑波大、東京外大、愛知教育大、名古屋市立大の学生25名に奨学金を給付し、真照学舎には名古屋大、名古屋工業大の学生10名が居住し、中には留学生もおります。年2回の懇親会出席以外はなんら制約を求めず勉学に励んでもらっております。

彼らを含め真照会の卒業生は、今後、世界情勢、地球環境等時代が激しく変化する中でも世界各国の人々と協力し、より良い地域・日本・世界を築くための貢献はできると信じております。社会の各方面で活動し、社会貢献されている方や団体を長きに亘り支援し続けてこられた貴財団からの今回の受賞も大きな励みとして、来年、創業350周年を迎える岡谷鋼機株式会社とともに引き続き地道に事業を続けていく所存です。

貴財団の益々のご発展と関係各位のより一層のご隆盛を祈念いたします。

理事長 岡谷 篤一

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  現在の真照学舎　名古屋市昭和区大和町
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  1924年～1941年の真照学舎　名古屋市旧櫻井町（現在の名古屋市昭和区鶴舞四丁目）
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  「天順人信」（義脩）旧制第八高等学校　初代校長でありその後10年間校長を務められた大島義脩氏の書
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  創設者岡谷惣助会長と真照学舎生
  1957年1月2日　岡谷会長宅
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  新年懇親会　役員　事務局と奨学生　真照学舎生
  2018年1月4日　名鉄グランドホテル
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  真照学舎バーベキュー会　卒業生も参加
  2017年9月30日