受賞者紹介

第49回 社会貢献者表彰

社会貢献の功績

えぬぴーおーほうじん さいひこうぼうしさぽーとせんたーあいち

NPO法人 再非行防止サポートセンター愛知

(愛知県)
NPO法人 再非行防止サポートセンター愛知 理事長 髙坂 朝人
理事長 髙坂 朝人

愛知県を拠点に、鑑別所や少年院を出た後の少年少女の立ち直りをサポートする団体として発足し、2014年にNPO法人に認定された。青少年が犯罪を犯すと、警察・鑑別所・少年院・保護観察官と関わる大人が次々と変わり、信頼関係を構築できないまま社会に戻される。子どもたちが犯罪に走る根底には、心を許せたり相談できる大人に出会って来られなかった、という事も一つの要因にあると考え、鑑別所や少年院面会からスタートし、信頼関係を構築しサポートを進めていく。サポート内容は、①鑑別所や少年院での面会、手紙のやり取りをする「施設内サポート」②施設を出た少年少女らの就労、就学、余暇の支援を行う「社会内サポート」③施設を出た後の自立準備ホームやシェルターでの保護する「住まいのサポート」④少年少女たちの家族の相談に応じる「家族向けサポート」の4種類。逮捕されてから社会復帰後まで、犯罪を犯した子どもとその親も同時に、非行経験のあるスタッフとそうではないスタッフが二人一組でサポートを行い「再非行を減らし、笑顔を増やす」活動を続けている。

再非行から離れる勉強会(研修会)
再非行から離れる勉強会(研修会)

平成26年8月「本音と希望を元に再非行を減らし笑顔を増やしたい」をキャッチフレーズとして、「施設内サポート」「社会内サポート」「住まいのサポート」「保護者サポート」を中心に再非行防止活動を行うため法人設立をしました。

当法人は、すべての非行少年(少女)は、変われる力を持っている事を信じ続け、「本音と希望」を尊重しながら、逮捕から出院後まで、一貫して寄り添いサポートと、非行経験がある当事者や、研究者、様々な専門性を持ったスタッフと会員がチームとなって、再非行を減らし笑顔を増やす社会づくりを目指しています。

平成27年からは、「社会的居場所(自立準備ホーム)」の運営を開始し2年が経ちました。現在では、非行に至る背景の一因にもなっている、虐待やネグレクト、ひとり親、生活困窮等で、社会的養護が必要であるにも関わらず、「少年法」や「児童福祉法」の支援策から漏れた非行の危険性がある少年(少女)や、出院後戻る家庭のない少年(少女)、鑑別所で保護者の身元引受拒否や、少年院の出院時期が大幅に過ぎても行先がない少年(少女)を、積極的に受け入れています。

運営している社会的居場所では、親代わりの寄り添い支援と、障害や就労困難等、専門家や団体と連携しながら複合的困難を抱える子どもを多方面から支え「自分と未来は変えられる。でも一人では変えられない」をコンセプトとした環境づくりを行っています。

今後は、サポート終了後少年たちを見守る「アフターケア事業」や、愛知県の再非行防止活動のみならず、全国の活動団体と連携を図り、未来ある少年たちの生き直しができる社会づくりを目指し準備を開始しました。

この度、社会貢献する団体として、当法人が表彰され本当にありがとうございました。内館牧子委員長からももっとも困難な人たちを支える団体の一つとして講評をいただき身が引き締まる思いがいたしました。表彰式では、理事全員が参加させていただき、いままでの活動が走馬灯のように思いだされました。そして、様々な団体が多様な社会貢献活動をしている背景には、それを支えるたくさんの人、理解ある家族がいるからこそ成り立っていることを実感しました。

今回の表彰を胸に、明日からまた新たな一歩がスタートします。誰もが幸せに暮らせ、立ち直りできる社会づくりを目指して邁進していきたいとスタッフともども心に誓い、今後も同様の継続活動をしていきます。

理事 川合みゆき

  • 再非行から離れる勉強会(わかちあい)
    再非行から離れる勉強会(わかちあい)
  • 再非行から離れる勉強会(少年の体験談)
    再非行から離れる勉強会(少年の体験談)
  • 自立準備ホーム
    自立準備ホーム
  • 再サポごはん
    再サポごはん
  • 社会を明るくする運動講演会/世界更生保護会議
    社会を明るくする運動講演会/世界更生保護会議
  • 中日新聞記事
    中日新聞記事
受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」