受賞者紹介

第49回 社会貢献者表彰

社会貢献の功績

しゃかいふくしほうじん だいわしゃかいふくしじぎょうせんたー しょうがいしゃふくししせつ はーとぴあたにぐみのもり

社会福祉法人 大和社会福祉事業センター 障がい者福祉施設 ハートピア谷汲の杜

(岐阜県)
社会福祉法人 大和社会福祉事業センター 障がい者福祉施設 ハートピア谷汲の杜 施設長 柏尾 真道
施設長 柏尾 真道

岐阜県揖斐郡谷汲の山間地の余剰地を、地域住民が社会貢献に使用したいと考え、農林業を取り入れた障がい者福祉施設として2002年に開設された。地域の耕作放棄地や雑木林、竹林を借り受けて、利用する人の適正を考えながら「農業班」「燻炭(くんたん)」班などのグループに分け、米や野菜の生産、燻炭づくりを行い販売もする、また利用者が仕事を持てるよう、業務用の機材を使用して行う清掃業(クリーンサービス)や地元産の小麦を使って生産販売するベーカリーを運営し、好評を博している。施設は19歳から64歳までの男女が利用し、利用者の家庭の経済的、精神的な負担の軽減はもとより、山村過疎地の活性化にも大きく寄与している。

推薦者:堀口 賢一

この度は、社会貢献者表彰をいただき感謝申し上げます。式典において、列席者へのきめ細かな配慮と万全の準備をいただいたことに、厚く御礼申し上げます。様々な功績を挙げられた他分野の表彰者の方とも交流を図ることができ、深く感銘いたしました。

クリーンサービス作業風景
クリーンサービス作業風景

ハートピア谷汲の杜は、岐阜県揖斐郡谷汲の山間部に「農作業を取り入れた」障がい者福祉施設として平成14年に開設しました。当時、揖斐山間部に障がいをもつ方の働く場がなく、地域のニーズを受けての立ち上げとなりました。岐阜の自然豊かな資源を活用して、障がいをもつ方の生産活動につなげ、安心して働くことができる場づくりを願いとしてまいりました。開所当初は、石拾い、土づくり等を、農地の開墾作業からスタートしました。初めて、米や野菜の農産物が収穫できた時、皆で喜び、利用者さんも自分達で作った生産品の味は格別なようでした。しかし、時に様々な生産する上での壁に直面し、そのたびに地域の方々の温かいサポートを受けることで、生産活動を立て直すことができました。

また、雑木林や竹林を活用した炭づくりや門松製作も行ってまいりました。門松作業は、葉牡丹の栽培、竹の切り出しから行い、山々の豊かな資源である材料を集め、製作していきます。山間部の厳しい冬の寒さの中、毎年製作納品を行い、少しずつ地域の中でも、広がりを見せ、現在は70対以上の門松を、県内に留まらず納品させていただいております。そして、地域の空き物件を利用した、地元に愛されるパン屋を目指し、土地の生産物を利用したパン屋の運営を行っております。店舗を構えることによって、利用者の方の地域交流の機会も増えました。

この様に、障がいをもつ方の働く場の充実化を図っていく中で、親さんの高齢化に伴い住まいの場の確保にも取り組みました。現在二つのグループホームを設立し、運営を行っております。

今回、様々な功績を残された表彰者の方々との交流を通して、表彰者の皆様に共通していることとして、「人が好きであること」、そして「自分に何ができるか」を常に心に据えておられるように感じました。これからの「私に何ができるのか」、改めて問い直させていただく機会になったように思います。この表彰をいただいたことは、利用者さんをはじめ、職員、ご家族、そしてこれまで関わっていただいた地域の方々にとっても、本当に大変大きな励みとなりました。高齢化、過疎化の厳しい課題が直面する中で、今後も障がいをもつ方が得意分野を活かして、生き生きと活動してもらいたいという願いのもと、地域と連携して資源を活用することで、山村過疎地の活性化に取り組んでいきたいと思っております。

社会福祉法人 大和社会福祉事業センター
ハートピア谷汲の杜
施設長 柏尾 真道

  • ベーカリー(パン屋)での朝礼写真
    ベーカリー(パン屋)での朝礼写真
  • もみ殻くん炭製品化作業
    もみ殻くん炭製品化作業
  • 黒米の稲刈り
    黒米の稲刈り
  • 納品前の門松
    納品前の門松
  • 農作業風景
    農作業風景
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