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受賞者紹介

平成23年度

社会貢献の功績

えぬぴーおーほうじん いんばやさいいかだのかい

NPO法人 印旛野菜いかだの会

(千葉県佐倉市)

千葉県民の水道水源の印旛沼の水質汚濁を改善するために、平成12年「印旛野菜いかだの会」を設立。植物や二枚貝が持つ自然浄化機能を用いて沼の再生を取り組んでいる。アルミ製の通路状で両側に苗床を浮かせる「植栽いかだ」を水路に設置し、空芯菜やハーブなどを水耕栽培した結果、全国湖沼水質ワーストワンの汚名をきせられた沼の浄化効果を上げている。また栽培した野菜や貝から取れた真珠などは販売に向けて取り組んでいる。他県やベトナムにもこの取り組みは広がっている。

● 推薦者/NPO法人 印旛沼広域環境研究会
NPO法人 印旛野菜いかだの会 理事長 美島 康男
理事長 美島 康男

循環型社会を目指す「みどりの変革」の趣旨どおり、「とりもどそう!ふるさとの自然」環境づくりとして、印旛沼の再生を目指して、心をともにする市民が集まり、平成12 年5 月に「印旛野菜いかだの会」を設立した。

●目的

印旛沼は、流域の都市化や経済社会活動によって、生活排水、農業排水などによる水質汚濁負荷が急速に進行し、毎年、夏場の水温上昇時には、富栄養化によるアオコ(藍藻類)の発生で、生態系は破壊され、腐敗臭などの影響もあり、市民の健康・衛生問題が問われている。

体験型環境学習の様子
体験型環境学習の様子

環境省の定める環境基準を大幅に上回り、印旛沼流域千葉県民140万人の大切な水道水源として、全国湖沼水質ワーストワンの汚名をきせられている。

昭和35年頃の印旛沼は、多くの浅瀬があって、多様な水生生物が生息しており、生態系が確立され、自然浄化機能を発揮していた。

しかし、新田開発事業により、浅瀬は失われ、多くの水生生物は破壊され、絶滅し、この水生生物による自然浄化機能は失われてしまった。

印旛沼及び流れ込む河川・水路・調整池と印旛沼流域で生産している全ての市民に対して、親しめる清らかな水環境を再生するための「よみがえれ印旛沼」再生事業として、生物(植物・二枚貝)が持つ自然浄化機能を用いた環境生態工学(エコエンジニアリング)の手法による水環境改善で「生物浄化システム」の確立を図り、印旛沼の再生を目指している。

●内容

体験型環境学習の様子
体験型環境学習の様子

2000年5月設立から印旛沼再生を目指し、環境に優しい生き物を使った「生物浄化システム」の確立と流域小・中学校の体験型環境学習の継続を目指している。

  • 「植栽いかだ」で植物の水耕栽培:植物(空芯菜・ハーブ・セリ・菜の花・花菖蒲など)は、窒素・燐を吸収して、富栄養化で毎年夏場の水温上昇時に生態系を破壊するアオコ(藍藻類)の発生を抑制し、生態系の再生を促している。
  • 二枚貝(池蝶貝一淡水真珠)の導入:二枚貝(池蝶貝一淡水真珠)は、濁りの原因の浮遊有機物質を吸収し、透視度(透明度)を高め、湖底に太陽光をとどかせて、光合成の働きで、水生生物の繁殖と生態系の再生を促す。
  • 体験型環境学習:印旛沼流域小・中学校と連携して、専門講師を招き、毎年6月〜9月の期間に体験型環境学習を実施し、水環境の大切さを伝えている。
  1. 活動の必要性・緊急性
    千葉県では、次のような計画目標がある。(1)「良質な飲み水の源」(2)「遊び,泳げる」(3)「ふるさとの生き物はぐくむ」(4)「大雨でも安心できる」(5)「人が集い、人と共生する」印旛沼や流域を目指している。
  2. 活動の効果・社会への波及効果
    11年間の地道な活動を継続して、地域のステークホルダーを巻き込みながら、「植栽いかだ」に植物(空芯菜一野菜・ハーブ・花菖蒲など)の水耕栽培と二枚貝(池蝶貝一淡水真珠)による水質浄化に取り組んだことで、浄化効果を上げる事ができている。また、流域の小・中学校の体験型環境学習も継続的に取り組んだことなど粘り強い活動が継続的に実現出来た。
    他地域の波及効果についても、目に見える具体的なことを報告します。
    実例 :
    (1)2001年宮城県長沼
    (2)2005年宮崎県上椎葉ダム・岩瀬ダム
    (3)2009年東京都小笠原母島乳房ダム
    (4)2009年ハノイ(ベトナム)タンコン湖
    (5)2010年埼玉県旧芝川再生プロジェクト
    (6)2011年徳島県鳴門市の新池川調整池
  3. 成果の達成に向けた改善努力
    毎週水曜日・土曜日に活動会員の参加を得て、継続的に事業を遂行できて、独自の「アルミ製いかだ」開発で、実用新案も取得して、費用面からもコスト削減の努力をした。
  4. 活動の自立発展性
    「アルミ製いかだ」の他県への販売や野菜・真珠アクセサリー販売の開拓など進め、「かっぱの奇跡」のネーミングで販売を促進して、地域活性化を目指している。
  5. 当会の成長性
    事業の自立に向けた糸口が見えてきました。今後は組織運営面でのコミットメントを得られる人材も開拓することが不可欠。
  6. 活動の今後の計画
    活動は、11年間の水路での実験段階が終了時にあると思うので、2012年からは、沼本体への実践へと移る段階にあると考えられる。

新たな担い手の確保に努めながら、印旛沼での活動実践の取り組みを継続して、全国の湖沼、河川等の浄化設備として、他県へも協力して、社会への貢献を目指すNPO団体でありたいと思っています。今回、社会貢献賞の評価をいただき栄誉ある表彰に心より感謝を申し上げます。

InbanumaYasai Ikada no Kai (Inba Swamp Vegetable Raft Association)

(Sakura City, Chiba Prefecture)
This NPO was established in 2000 in order to ameliorate the water pollution in Inbanuma (Inba Swamp), a source of drinking water for the people of Chiba Prefecture. It is endeavoring to restore the swamp by means of the natural cleaning power of plants and bivalves. On both sides of aluminum water channels, it installs rafts for raising plants that float the seedbeds and hydroponically cultivates Chinese water spinach, herbs and more, increasing the effectiveness of efforts to clean a swamp that became known for having the most polluted water of any lake or swamp in the country. The organization is also endeavoring to sell the cultivated vegetables and the pearls obtained from the bivalves. Such undertakings have also spread to other prefectures and to Vietnam.
Nominator: Inba Swamp Region Environmental Research Association (NPO Inba)