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受賞者紹介

平成23年度

社会貢献の功績

いじゅう せいげん

伊集 盛元

(71歳/沖縄県南城市)

沖縄県議会議員として文教厚生委員部会に所属する中で、青少年問題が多々あることに気づき、同63年より高校中退者の問題解決に献身的に関るようになった。平成8年に県議を退いた後、「沖縄産業開発青年協会」を立て直し、若者を育成するとともに、平成22年には念願であった更生保護事業が認可され、「やんばる青少年隊」を設立、非行や犯罪を犯した青少年を受け入れている。自宅から120キロ離れた施設に毎朝4時に出勤し、青少年たちと関わり自立させ社会人へと導いている。

● 推薦者/新里 恒彦
伊集 盛元

沖縄県は、28年という長い間、異民族支配下に置かれました。そのことで、さまざまな本土との格差が生まれましたが、特に一番大きかったのは学力の差でした。私は国会議員の秘書、それから県議会議員になって、本格的に教育問題に取り組んできました。特色ある県立高等学校建設に向けて鋭意努力してきましたが、校区制という厚い壁にぶつかりました。

青年協会(青年隊)前での伊集さん
青年協会(青年隊)前での伊集さん

知事及び教育庁、その他の市町村長などの関係者と連日話し合いを重ねました。その結果、全県一区の特色ある高等学校を3校つくることが出来ました。そのおかげで、大学進学率も高くなり、難関といわれている大学にも合格者が徐々に増えていきました。本土との差が一歩一歩改善され、安堵していたころ、衝撃的な出来事に遭いました。

それは毎日新聞1面トップに大きく掲載された「沖縄県高校中退率10年連続ワーストワン」という記事でした。目の前が真っ暗になったのを今でも鮮明に覚えています。以来、自分がやってきた教育問題は、単なるエリート作りに終始していたのではないかと自問自答し、それがきっかけで、青少年の健全育成はどうあるべきか、中途退学問題に本格的に取り組みました。

まず、びっくりしたのは、本県の未成年者の飲酒及び喫煙者は全国平均の10倍、全般的な青少年の犯罪は全国平均の3倍だということです。また、離婚率は全国でもっとも高く、夜型社会で、県民所得は全国最下位、その所得格差は全国ナンバー1などという実態が浮かび上がってきました。

青年協会の施設
青年協会の施設

このデータを踏まえ、各県立高等学校にその対策委員会を設置させ、高等学校PTA連合会にも中途退学委員会をつくり、私が委員長として全力を尽くして参りました。関係各位の努力で3年後には年間千名ずつ中途退学を減らすことができました。沖縄産業開発青年協会(青年隊)は基本的には、コンボ、ブルドーザ、クレーン、フォークリフト等々11種類の資格を取得できる職業訓練校であります。確かにこれだけの国家資格を取得することで、92%以上の就職率になっているわけですが、今日の日本は資格万能主義で、資格を取得するために一生懸命になり、一番大事な人間をつくることに欠けてきた傾向にあります。

青年隊では、朝の6時半起床に始まり、1時間程度の基礎訓練、夜の10時消灯まで連日、自分で自分をみつめる、すなわち「思いの種をまいて行動を刈り取る。行動の種をまいて習慣を刈り取る。習慣の種をまいて人格を刈り取る。人格の種をまいて人生を刈り取る」という格言の通り、繰り返し続けることによって、思いやり、勇気、忍耐、正義感、自分の言葉に責任を持つ人づくりをモットーにしています。

「一日一善」という言葉の持つ重みが、少しずつ理解できるようになりました。

「大器は大成せしめ、小器は小成さす」という、吉田松陰の言葉があります。若い青年達と出来るだけ同じ目線になり、向き合うことの大切さを痛感しながら、日々学んでいます。

  • 青年協会の施設とハウス栽培の畑
    青年協会の施設とハウス栽培の畑
  • 青年協会の施設とハウス栽培の畑

Seigen Iju

(Age 71 / Nanjo City, Okinawa Prefecture)
As a member of the Okinawa Prefectural Assembly serving on the Education and Welfare Subcommittee, Mr. Iji became acutely aware that there were numerous youth problems, and in 1988 he became committed to solving the high-school dropout problem. After leaving the Assembly in 1996, he rebuilt the Okinawa Industrial Development Youth Association and worked to educate and nurture youth. In 2010, his long-planned rehabilitation project was approved and he established the Yanbaru Youth Squad, which accepts youth who have committed acts of delinquency or crimes in order to rehabilitate them. Each morning he travels four hours to go to work at the project's facility 120 kilometers from his home, where he engages with the youth involved, trying to help them to gain independence and become responsible members of society.
Nominator: Tsunehiko Shinzato