受賞者紹介

平成15年度 社会貢献者表彰

第二部門/多年にわたる功労

かねこ しょうじ

金子 昭治

(昭 2.10. 6生 /シンガポール、東京都)
金子 昭治
1973年以来30年にわたり、シンガポール、インドネシア、マレイシアを中心としたマラッカ海峡及びその沿岸地域の航行安全増進に先駆的役割を果たし、海峡沿岸国政府や海事関係者のアドバイザー的役割を果たされている。
推薦者:佐々木 生治

受賞の言葉

マラッカ海峡を中心に足かけ30年間、航行安全と船員福祉の仕事に就き、子供のころから夢見た南の島で働けたことは幸せでした。

海上保安庁測量船船長の経験を持つ氏は、1973年5月から海外技術協力事業団(現JICA)によるコロンボブランの航行安全アドバイザー日本人専門家第1号としてインドネシアに2年半滞在、困難な状況下で孤軍奮闘し、戦禍を受けた航路標識や沿岸無線の復旧を担い、マラッカ海峡の航行安全増進に先駆的な役割を果した。帰任後はマラッカ海峡協議会の事務局長としてマラッカ・シンガポール海峡の灯台建設作業等の航路標識初期整備に従事、今日のわが国と海峡沿岸国とが共同で行う航路環境整備のモデルを築いた。1986年から現在までの17年間は、日本船員福利雇用センターシンガポール駐在員事務所(1960年設置)所長として、同国に立ち寄る船員を献身的に世話をするかたわら、中立的立場で海峡沿岸国政府や海事関係者のアドバイザー的役割も果たしてきた。

今日、マラッカ海峡沿岸諸国と我が国が友好関係を保ちながらマラッカ・シンガポール海峡の現場で航行安全増進の実作業が出来るのも、氏の長年にわたる地道な活動によってもたらされた信頼関係に支えられているからに他ならない。現勤務先のシンガポール船員センターの施設は本年9月をもって閉鎖され43年にわたる歴史の幕を閉じる。