受賞者紹介

平成15年度 社会貢献者表彰

第一部門/緊急時の功績

いわや たいき

岩谷 太樹

(昭52. 7. 23生 /東京都 中野区)
岩谷 太樹
平成14年12月15日午前4時40分頃、中野区弥生町の路上を歩いて帰宅する途中、暗闇の中で不審な男が止めてあったオートバイに放火するのを見つけ、約150メートルにわたって追跡し、格闘の末、男に刺され重体となった。
推薦者:社会貢献支援財団 事務局

受賞の言葉

事件の被害にあい、幸いにも命を取りとめる事ができました。この命は、色々な人に支えられ生きていると改めて実感した出来事でした。様々な事に感謝のこころを忘れずに生きて行こうと思います。

平成14年12月15日午前4時40分頃、東京都中野区弥生町の路上を歩いて帰宅途中の会社員岩谷太樹さんは、暗闇で不審な男が、停めてあったオートバイに放火するのを見つけ、約150メートルにわたって追跡、格闘の末、男に刺され重体となった。現場付近では、昨年12月から放火と見られる不審火やタイヤが切り裂かれる事件が相次いで発生し、警察がパトロールを強化していた矢先だった。近くをジョギング中の男性は、岩谷さんが男の胸ぐらをつかみ、言い合っているのを目撃した。近くのオートバイのシートからは煙が出ていたという。また、近くに住む別の男性は、「誰か、誰か」と駆けながら叫ぶ声を聞き、外を見ると岩谷さんと男が激しくもみ合い、男が岩谷さんに馬乗りになって居るのを見て110番に通報。中野署員が駆けつけた時には、男は既に逃げ去り、岩谷さんが首や腹など数カ所から血を流して倒れ、「放火魔、放火魔」と絞り出すような声で警察官に告げた後、意識不明に陥り、救急車で病院に運ばれたが重体となった。

平成15年1月14日、窃盗容疑で逮捕されていた無職の男が本件の犯行を自供した。男は「執行猶予中に放火を見とがめられ、刺してでも逃げようと思った」と供述。 岩谷さんは一時意識不明の重体に陥ったが、その後快復した。