一般社団法人 グリーフサポートせたがや
東日本大震災で広がったグリーフという概念、大切な人を亡くした人に寄り添うグリーフサポートの普及を、子どものグリーフサポートを行う米国のダギーセンターで手法を学び、日本でそれをベースに、死別のグリーフを抱えた子どもや大人、またそれ以外の様々なグリーフを抱える人へのサポートプログラムや相談を、20名のファシリテーターが担っている。2012年に任意団体として発足し、2014年から一般社団法人化。世田谷区にグリーフを抱える人たちの、泣いていい場所、話せる場所となる「サポコハウス」を構え、個別相談や電話相談に対応。また、グリーフやグリーフサポートについて、多くの人々に知ってもらいたいと、講座の開催や、支える側となるファシリテーターを育成する講座も行っている。グリーフを死別に限らず、大切に思っていた人やものを喪失した体験のすべてと、広くとらえている。そこには、離別、暴力被害(安心感の喪失)、紛争や自然災害による被災(住まいや地域とのつながり、経済的な生活手段の喪失)、失業や就職難(希望の喪失)、いじめ、年齢・ジェンダー・民族・宗教・障がい・性的指向等への差別(自尊心やアイデンティティの喪失)、非婚や不妊などへの社会の不寛容(自己肯定感の喪失)などが含まれ、直接・間接的な要因によって起きるすべてをグリーフと考えている。拠点となる「サポコハウス」は「世田谷区らしい空き家等の地域貢献活用モデル事業」の第一号としてオープンした。
このたびは、社会貢献者表彰をいただき、心より感謝申し上げます。
障害のある人もない人も、高齢者も子どもも若者も、すべての人が家庭や地域の中で普通に日常生活を送り、支えあって暮らす社会(ノーマライゼーション)の実現をめざして1994年から活動されているNPO 法人コミュニティ・ネットワーク・ウェーブの佐光さんに推薦していただきました。
全国のみならず、世界中で地道に活動されているみなさまと共に受賞させていただき、大変光栄に思います。認定NPO法人 児童虐待防止協会のみなさま、新庄民話の会のみなさま、溝口 伸之さまと同席させていただき、貴重なお話しをうかがう機会を得ることができ、大変豊かな時間をすごさせていただきました。ありがとうございました。
「グリ―フサポートせたがや」は、大切な人やものをなくしたおとなやこどもが集い、ゆっくり自分のペースで自分の経験や気持ちに触れることが出来る家「サポコハウス」を世田谷区太子堂で運営しています。
グリ―フとは、喪失に対する反応です。人生はさまざまな変化の連続であり、すべての変化にはグリ―フがともなうと言えます。グリ―フの衝撃や影響は一人ひとり違い「グリ―フと向き合う力」は、一人ひとりの中にある(誰もが生まれながらにもっている力)と考えます。グリーフサポートに大切なことは、一人ひとりに合ったやり方、それぞれのペースで丁寧にグリ―フと向き合うことが出来る安心で安全な場を提供することであると考えます。
「グリ―フサポートせたがや」では「グリ―フサポートプログラム」(こどもプログラム、おとなプログラム、パートナー死別サポートプログラム)の開催、個別相談(対面相談及び電話相談)の実施、グリ―フをテーマとした連続講座の開催、その講演録を発行しています。グリ―フサポートプログラムを運営するファシリテーターの養成講座も開催してます。また、主に世田谷区の行政と連携し、ケアに携わる方々、区民のみなさんに向けてのグリ―フ、グリ―フサポートに関するワークショップを開催しています。
2014年に活動を開始してから10周年を迎える節目に表彰していただいたことを大変感慨深く思うと同時に、今後もグリ―フを抱える人々を地域で支え、だれも取り残さないつながり先として地道に活動を継続し、安心・安全な場を提供していきたいと思います。