受賞者紹介

第56回 社会貢献者表彰
あんびー

社会福祉法人 AnnBee

(東京都)
社会福祉法人 AnnBee 理事長 木下 るみ子
理事長 木下 るみ子

知的障害者が活躍できる場を設け、一緒に社会参加できるようにと、同じ志を持つ6名で2005年8月にNPO法人として発足した。発足当時は活動拠点もなく、公会堂や公民館ボランティアセンターを転々と移動しながらの活動を続けた。どう生活していくのかと模索する中で国分寺の湧水で石鹸を作り、陶器の制作を始めた。6名の給与は2年間なかったが、利用者の魅力や必ずできる力を信じ、志がぶれることはなかった。自立支援法のもと「多機能型 生活介護・就労継続支援B型 ビーパス」が認可され、焼き菓子作りを始める。材料やデザインにもこだわり、出来上がった「武蔵国分寺サブレ」は2010年多摩の逸品コンテストで逸品に選ばれた。地域の人々との交流を深めるために始めた年に一度のAnnBee祭りでは飲食店やステージ、ワークショップなど年々規模が大きくなり、地域に根付いている。2015年には社会福祉法人格を取得した。「一人ひとりの力を信じて、その個性を尊び、その力を存分に発揮できるよう創意工夫し、常に高い水準での創造を目指し、互いに成長できるよう努めます」を法人理念とし、日々の成長を大切にしている。

推薦者:榎本恵子

この度は、社会貢献者表彰をいただき、誠にありがとうございます。国内外で志をもって活動されている事を身近に教えていただく機会となり、改めて人の力の強さに感動し、勇気をいただきました。様々な活動が繋がることで、私ども法人が目標に掲げる一つであります『心ある豊かな社会、豊かな地域づくりの一端を担うこと』を再認識させられる機会になりました。

20年ほど前に年齢もこれまで生きてきた世界も違う6名が知的障害を持つ方々の活動を通じて出会い、ともに活動する中で、『一人ひとりが持っている力には無限の可能性がある』という信念と、『障害者と共に社会の中で役立つ存在となる』という思いを抱き、障害者の就労の場としてNPO法人AnnBeeを立ち上げました。毎日が、試行錯誤の連続で、ああでもない、こうでもないと常に想いを語り合い、今日まで進んできたように思います。

法人設立時は利用者5名からのスタートで、地域に根ざせるような製品づくりを目指し、国分寺の伝説のある湧き水を使った化粧石けんの製造に取り組みました。次に、史跡の町のお土産となるよう味やパッケージにこだわった焼菓子の製造に取り組みました。地元のデパートで8年間の催事販売を積み重ねたことで、常設店舗として認められました。石けんと焼菓子は、国分寺ブランドとして認定されています。現在は43名の大所帯となり、一人ひとりが毎日様々な仕事に取り組んでいます。陶芸や裂き織、染物にも取り組み、製品として自信をもって送り出せるところまできたと思っております。これまで彼らとともに歩んできて、障害をもっていても働くことに意義があることの大切さを教えてもらいました。

16年前に就労の場としてスタートし、現在は彼らの生活面が充実するよう地域生活支援(移動支援、短期入所、グループホーム)の事業も行っています。また、子どもたちが豊かに成長できるよう児童発達支援にも取り組んでいます。これまで失敗しながらも多くの方々に支えていただいたことに感謝し、今後も地域と共に歩み、地域に必要とされる法人であるように初心を忘れずに進んでまいりたいと思います。

理事長 木下 るみ子

  • グループホーム合同キャンプ
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  • 生活介護陶芸班
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  • 就労B厨房の様子
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  • 生活介護裂き織班
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