受賞者紹介

第56回 社会貢献者表彰
いばらきいのちのでんわ

社会福祉法人 茨城いのちの電話

(茨城県)
社会福祉法人 茨城いのちの電話 理事長 幡谷 浩史
理事長 幡谷 浩史

1980年代に茨城県筑波研究学園都市が整備された一方で、研究者の相次ぐ自殺が大きな問題となり、1985年つくば市に茨城いのちの電話を開局。当初は12時から20時の8時間受信体制でだったが、社会からの要請が高く1991年から24時間365日受信体制で行っている。翌年、水戸市にも電話相談室を開設。相談員は、自費で養成講座を受講し約2年間専門的な研修を受けて資格を取得する。活動の拡大、充実に伴い、相談件数は増加しピーク時は年間3万件を超えたが、近年は2018年(19,688件)、2019年(18,570件)と減っており、相談員も高齢化などで減少しているため繋がらない電話にならないように相談員を増やすように啓発を行っている。利用者は30代から50代が多く、10代20代の若年者からの利用が少ないことが課題となっていた。若年者は電話よりもSNSを利用することが多いのでLINE相談を導入することになり、クラウドファンディングで資金を集め、2021年5月からLINE相談を始めた。36年にわたり活動を継続している。

推薦者:中込四郎

第56回社会貢献者表彰をいただきありがとうございました。大変名誉ある賞をいただけたことは光栄なことであり、これからの活動への励みとなります。これまでの活動を認めて下さったことに改めて感謝申し上げます。我々の活動は相談員の個人名を出さないボランティア活動ですので、相談員それぞれ報われた思いを抱いております。

この活動を支えているのは、皆様の会費・寄付および助成金・補助金です。皆様の温かいご支援があればこそ、開局以来36年間継続して活動を続けることができました。これこそ奇跡的なこととありがたく思います。

茨城いのちの電話は、自殺予防を目的に開局いたしました。心の危機にある方の悩みに寄り添い、良き隣人としてお話を伺っています。相談者も、相談を受ける相談員も匿名で行います。人に話すことふれあうことで、心が少しでも軽くなり、「今日もう少し頑張ってみよう、生きてみよう」というお気持ちになれればと、相談員はお話を伺っています。

いのちの電話は全国に50センターあり、それぞれが独立しての活動ですが、センター同士での助け合いも行っております。全国のセンターが協力し合い、毎月10日(8時~翌8時)と毎日16時~18時にはフリーダイヤルでも相談電話を受けています。

茨城では365日24時間眠らぬダイヤルとして相談活動を続けてきましたが、現在はコロナ禍のため活動を縮小せざるを得ない状況です。電話の呼び出し音は途切れることなく、受話器を置くとすぐにまた次の電話がかかり、相談者の方にはいつも話し中でつながりにくいことでご迷惑をおかけし申し訳なく思っています。それだけ多くの方々に必要とされているという実感と、今後の改善策の必要性を感じています。

相談活動のほかに、公開講座を実施して一般の方々へ自殺予防啓発活動も行っています。また今の若者は、電話よりSNSの方が使いやすいということで、LINE相談を本年度5月30日より開始いたしました。電話という手段がうまれたことにより電話相談が始まり、SNSがうまれたことでSNS相談ができるようになりました。電話だけでなく様々な社会の変化に対応できるように活動していくことも大切と考えます。その中でいのちの電話らしさを生かした相談活動をこれからも続けていきたいと思います。今後とも皆様のご理解とご支援をいただければ大変うれしく存じます。

事務局長 多田博子

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